▼悪夢の再来26___ut side ページ27
完全にやらかしたな、と思ったのはマンちゃんから連絡が入った時だった。Aの寝顔と共にトークに連絡が来た時は本当に死んだと思った。おれが主催で開かれた飲み会は、案外あっさり収束された。勿論各自持ち帰りたい奴らは持ち帰って、そして俺はというとそういう気分でも無かったから真っ直ぐ帰路に着いた。
少し飲み過ぎたんだろう。
Aちゃんがいないことに気がついたのは家の鍵を開けた時だった。そういえばいなかったな、と。
でも隣にマンちゃんおったしなんとかなるやろ、と軽率な考えで彼に任せるようにして布団は身を投げたのだが。いやまさか、ない。ないないないないない。
オスマンとAちゃんがワンナイトとか。
俺が悲しいんじゃない。主催した俺がトンちに何と言われるか。最悪半殺し。
そうして俺は今、急いで大学へ向かっている。
ut「Aちゃん!!!!」
杉並木の下。ゆっくりと校舎に向かって歩いていく彼女の後ろ姿はあっさり見つかった。
ぱっと振り返った彼女の顔は相変わらず。
『え、なにそんな顔して。しんだんか』
ut「やっ、いや、あのっ。き、昨日はよく眠れたかな〜…なんて」
『………』
ut「…ほんまにすいませんした!!!!!」
ばっと勢いよく頭を下げれば、嫌でも冷たい視線が自分に突き刺さる。これがAちゃん相手でなければ、大抵は向こうから「顔を上げてくれ」なんて言われるのだが。相手はなんせあの赤柴A。人の目なんて気にせず、他人の不幸を鼻で笑う人間が今の頭を下げる俺にそんな優しい言葉をかけるはずがない。
ましてや昨日の今日。
もしかしたら、俺のせいで彼女の貞操が
『昨日?…あぁ、マンちゃんと』
ut「ストップ!!ストップ!!嫌や、Aちゃんの口から聞きたくない!!心の準備が」
『言っとくけど、マンちゃんとは何もないで』
ut「いやだから!、!……っえ、え?」
え?
『彼、真摯だね』
にこり、と笑ったAちゃんは目を細めた。なんだこの悪魔は。
『で、鬱はいつまでその軽い頭を下げてるの?』
俺の寿命は5年縮んだと思う。
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ニノ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます!!最初幼馴染みの子が何かやからすんかなと思いながら更新を待っておりましたが、最後の最後で「あっ」となり同時に暖かい気持ちになりました。見事に釣られた気分です。素敵な小説を有難うございました! (2022年12月10日 18時) (レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
タラバババ - 完結おめでとうございます‼語彙力皆無なのでいいコメントできないですが、とにかく面白かったです‼‼ (2022年12月9日 22時) (レス) @page44 id: 3e7e23078b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 月の光さん» 私自身が言うのも可笑しな話ですが、本当におめでとうございます(?) 最後まで応援していただいてありがとうございます!嬉しい限りです!なんと新作の方も…!?ではまたお会い出来るのを楽しみにしておりますね☺️ 本当にありがとうございました! (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 瀬田さん» とても心温まる感想、本当にありがとうございます。作中は何かと焦らす場面が多いなぁと書いている私自身も感じておりました。無事完結できて良かったです…!最後まで読んでいただきありがとうございました☺️ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おめでとうtn氏!!おめでとう夢主ちゃん!!陰ながら応援させてもらってました。完結おめでとうございます!! 新作行ってきます!! (2022年12月4日 19時) (レス) id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2022年8月19日 8時