真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ11)

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その瞳の意味はページ11

「……。」

「なぁ、ごめんって
　俺もう30回は謝ったじゃん？」

「……。」

二宮君が悪いんだもん。
さっき、私を揶揄ったことに腹が立って
私は彼を無視してる。

「俺泣いちゃう、涙出て来た。」

「泣いてないじゃんバカ」

「お、喋ってくれた。」

っ…私としたことが….
不覚にも反応してしまった。

「もうあんな冗談言わないって約束してくれる？」

「するする、当たり前じゃん。」

本気でそう思ってるのか思ってないのか
二宮君はそんな顔で答える。

ったく、軽いんだよなぁ…
信用できないなんて思ってると、

「でもさ、俺びっくりした。」

「…何が？」

「いや、あんな翔ちゃん初めて見た。
　なんつーか、いつもと違うっていうか、
　お前といる時すげー楽しそうだった。」

二宮君が突然そう言った。

「…櫻井先生は誰にでもあんなだよ。」

そんなわけない
って言い聞かせるようにそう言うと、

「いやー、あんな瞳は見たことないね。」

「…あんな瞳って？」

「お前を見る先生の瞳、
　これ以上ないってくらい優しい目してたよ。」

っ…
やめてよ、私馬鹿だから都合よく考えちゃう…

その後は、二宮君の言葉のせいで
学祭なんて集中できなかった。

学祭が終わったその日の夜、
二宮君が言ってたことが頭から離れない。

「優しい瞳なんてわかんないよ…」

いつか、この想いを伝えたら先生は何て言う？

そんなことを考えながら眠りについた。