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○Aside
『…ん、』
自分の声が聞こえて、急に意識が浮上する
重いまぶたをゆっくりと持ち上げると、視界は薄暗くて時間感覚がわからない
…今、何時だろ
怠い体を動かそうとしたとき、体が固定されていることに気づいた
腰に、腕が巻きついてる…？
ぼやける視界が鮮明になるにつれて、目の前にいる人の顔が見えてくる
『れん、』
長い時間寝ていたせいか、出づらい声でそう呼びかけると、綺麗に閉じられた蓮のまぶたが微かに動いた
ずっと、ついていてくれたんだろうか。
…正直、朝蓮に声をかけられた後からの記憶がない。
でも寝てるってことはきっと今は深夜なんだと思う
仕事、終わるの遅かったはずだし
目黒「…、起きたの？」
ゆっくりと目を開けて、そう尋ねた蓮の声は掠れている
私の腰に回していた腕をゆっくり持ち上げて、額に手のひらを当てられた
大きい手のひらは少し冷たくて、気持ちいい
思わず目を細めていると、蓮の手のひらがそのまま頭するりと撫でた
目黒「熱、ないな」
満足げに細められたその瞳に、私もつられて笑う
『うん、もう元気』
目黒「とか言ってまた仕事すんなよ。今日は休み」
『…わかってるよ』
１日寝てた分、仕事はしたかった
けど、心配かけただろうことはわかってるから何も言えない
不服なのが顔に出ていたのか、小さく笑った蓮は少し強めに私の頭を撫でた
目黒「明日ケーキ買ってきてやるから」
ケーキ…！
バッと蓮を見上げると、楽しそうに口角を上げて笑ってる
『フルーツタルトがいい』
目黒「はいはい」
ケーキのことを考えたら急にお腹が空いてきた
同時に眠気も襲ってきて、ゴシゴシと目を擦る
目黒「眠い？」
そう言って背中をポンポン叩く蓮の胸にすり寄る
スーッと息を吸い込むと、蓮の匂いが胸いっぱいに広がった
…落ち着く。
目黒「…おやすみ」
その優しい声と背に感じる暖かい振動を感じながら、目を閉じた
目黒「あったけー…」
少し震えるそんな声が微かに聞こえた気がした
気がした、だけだけど。
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のどか(プロフ) - 更新ありがとうございます…！やんさんの物語が1番すきです！！ (2020年6月28日 2時) (
レス) id: 0db3f9472c (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 更新ありがとうございます。楽しみに待っていました!!今後の展開も楽しみにしています。 (2020年6月20日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新お疲れさまぁ！！その後の主人公と目黒くんのお話が読めて嬉しい笑 正直、やんさんのお話が完結してからなんだか寂しかったから、またこうして読めるなんて…！！ 次回も楽しみにしてまーす！ (2020年5月28日 19時) (レス) id: 8f796692aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やん
| 作成日時：2020年5月27日 11時
