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風邪 ページ14

○目黒side



なんか、おかしい。




アラームが鳴るより先に目が覚めた、珍しい朝




いつものように腕の中にある温もりが、異常なほど熱かった






俺の胸に顔を埋めて眠っているAを覗き込めば、その表情は苦しそうで焦る




眉間にシワがよってるし、口は少し開いていて苦しそうな息遣いが断続的に聞こえてくる





これ、やばくね…?






Aを起こさないようにそっと額に手を伸ばす





その汗ばんだ額は、びっくりするほど熱かった






…風邪だな







不意に思い出されるのは、昨晩のこと。





風呂上りに暑いって言ってた時から、多分熱は出てたんだろう




寝る時も、いつもより暖かかったし






『…A?』





顔を寄せて小さめの声で呼びかけると、固く閉じていた瞼がゆっくりと開かれた




キツそー…




Aの目はどこか虚で、いまいち焦点が合っていない




ふらふらと空を彷徨った視線は、ようやく俺を捉えた






上気した頰に手を当ててみるけどやっぱり熱い







『どっか痛いとことかある?』





そう聞くと、Aは「…あたま」と辿々しく呟いた






頭痛、ってことはいつもの風邪で間違いなさそう




仕事が立て込んだ後、たまに出るストレス性の風邪




いつも熱と頭痛だけだから対処法はわかってる、けど






『キツイよなぁ』






ぼうっとしているAの頭をゆるく撫でるとぎゅっと目をつぶって、俺の胸に顔を押し付けた




服越しにもわかる頭の熱さが、Aのしんどさを物語っている






どうすっかな…






今日は個人の撮影




もう1時間後には家を出ないと間に合わない







表情が見えないAの背に手を回して、優しくさする





1人にするのは、正直避けたい。





何起こるかわかんねぇし、危ないから






でも生憎今日は1日中仕事




新人の分際で休むわけにもいかないし







「…れん、しごと」






じっと考えていると、Aがそう言ってゆっくりと俺から離れた




ちょ、




確かに仕事は行かないといけないけど、Aが離れるのも嫌だ



しんどいなら甘えてほしい。





そう思って、モソモソと俺に背を向けようと動くAに腕を回して抱き寄せる




『あつ…』





やっぱり体は熱くて、心配でしかない





薬、って言ってもいつもあんま効かないし。




無理して飯食わせて薬飲ませるよりも、寝かせたほうが多分いいんだよな。

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のどか(プロフ) - 更新ありがとうございます…!やんさんの物語が1番すきです!! (2020年6月28日 2時) (レス) id: 0db3f9472c (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 更新ありがとうございます。楽しみに待っていました!!今後の展開も楽しみにしています。 (2020年6月20日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新お疲れさまぁ!!その後の主人公と目黒くんのお話が読めて嬉しい笑 正直、やんさんのお話が完結してからなんだか寂しかったから、またこうして読めるなんて…!! 次回も楽しみにしてまーす! (2020年5月28日 19時) (レス) id: 8f796692aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やん | 作成日時:2020年5月27日 11時

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