検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:200,093 hit

アイス ページ11

○Aside



暑い




ものすごく、暑い






ブォーっと後ろから聞こえる音と、髪にあたる強風



さらさらと頭を撫でるように滑る蓮の手を感じながら、ただそれだけを思う




こめかみを伝う汗は止まることを知らなくて、その感触がちょっと気持ち悪い




折角お風呂で綺麗になったのに…






『暑いよー!』




風の音に負けないように大きな声でそう言うと、蓮が「あー?」と聞き返した




同時にカチッと音がして、少し風が弱まる





くる、と振り返ればドライヤーを横に向けた蓮はきょとんとしている





『今日、暑い』




目黒「ドライヤーが?」




『いや、普通に暑い』





そう言えば、考えるように空に目を向けた蓮は、「あぁ、」と言って口を開いた





目黒「湯船入ったの久々だからじゃね?」



「たぶん」





そんな会話をしながらも、全然汗がひかない



また、たらーっと汗が伝って胸元に流れていく




その様子を見て、蓮が見かねたようにドライヤーを冷風にして額に風を当ててくれた




ふわふわとあたる風が気持ちいい




冷たい風を最大限に感じるために目を閉じていると、ふと蓮の声が聞こえてくる







目黒「アイスでも食う?」




『え!あるの?』








思いがけない言葉にぱっと目を開けて、蓮に詰め寄る





急に距離を詰めた私に、蓮はドライヤーを横にそらした




そらした先にあった何かのチラシが、パタパタと煽られる音がする







アイス、食べたい…!





期待の眼差しでじっと見ていると、ふはっと笑われた





目黒「ないけど」





『え』





ないんだ…



地味にショックを受けていると、また蓮が楽しそうに笑う





面白そうに私の顔を覗き込んだ蓮は、つんつん、とちょっかいを出すように私の頰をつついた





遊ばれてる…





なんかそれが悔しくて不満な顔をしていると蓮がニヤニヤして見てくるから、私もつられてしまう







目黒「あとで買ってくる」





そう言われて、『え』とまた声が漏れる





『それは申し訳ないからいいよ』





目黒「いいから。俺も食いたい」






そう言われてしまったら何も言えなくて、『そっか』と頷く




2人で買いに行くわけにもいかないから、任せるしかない





目黒「何がいい?」





弱い風を髪に当てて、指先ですきながら乾かしてくれる




それが暑いけど心地良くて目を細めれば、蓮が小さく笑ったのが気配でわかった





目黒「そんな気持ちい?」

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (454 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1975人がお気に入り
設定タグ:目黒蓮 , SnowMan , 短編
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のどか(プロフ) - 更新ありがとうございます…!やんさんの物語が1番すきです!! (2020年6月28日 2時) (レス) id: 0db3f9472c (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 更新ありがとうございます。楽しみに待っていました!!今後の展開も楽しみにしています。 (2020年6月20日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新お疲れさまぁ!!その後の主人公と目黒くんのお話が読めて嬉しい笑 正直、やんさんのお話が完結してからなんだか寂しかったから、またこうして読めるなんて…!! 次回も楽しみにしてまーす! (2020年5月28日 19時) (レス) id: 8f796692aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やん | 作成日時:2020年5月27日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。