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廉side
岡崎さんに教えてもらった通りにやってくるとたどり着いた墓地
3月末とはいえまだ少し冷たい風が頬をなでる
岡崎さんの話を聞いて悲しかったけど、どこか実感が湧いてなかったのも
こうして母ちゃんが眠る墓を見るとやっぱりこれが現実なんやって思い知らされる
岡崎さんがしょっちゅう手入れに来てくれているのか墓石は綺麗で
ほんまにあのおじさんには頭が上がらん思いやった
真ん中に線香を立てて
Aと2人で手を合わせた
目を瞑れば母ちゃんとの思い出が昨日のことのように蘇ってくる
優しくて美人で明るくて
いつだって自分のことそっちのけで俺のことしか考えてなかった母ちゃん
けどそんな母ちゃんのことが大好きで
いつか母ちゃんに会うためって
俺は今まで頑張って来たのに
これからどうしたらいいんや
廉「、、、っく、母ちゃん、、、」
昨日から泣いてばかりの俺にAは呆れもせずに寄り添ってくれた
今だって優しく背中を撫でてくれている
Aのこの温もりが俺の心の傷口に染みて溶けていくようだった
辺りは静かで俺の鼻をすする音だけが響いてる空間に
Aの透き通った声が重なったのはまもなくのことだった
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2019年3月9日 15時
