君の嘘、僕の嘘

17 〜Tside〜 ページ17

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仕事帰り、なんとなく
飲みたい気分で、ビールを
買おうとコンビニに寄った




スイーツの棚の前にいる子が目に入る





まただ



今度は、買うか買わないか、
すっごい迷ってる




少し笑いそうになりながら、
声をかけた




「迷うの好きだね」




って。



絶対食べたいくせに


買わないって




うちのワンコに似てるからなのか


意地悪してみたくなった


どんな顔するのか、


興味があったから




玉「もーらい」




そんな俺の意地悪に


わかりやすく、シュンとしてる




やば、めっちゃウケた。


まじ、そっくり。




帰り際、そのスイーツを
あげたら満面の笑み




嘘がないその笑顔に、
なんでか、心臓が跳ねた気がした。




この子の笑顔、好きだなぁって





でも、……好きは続かないから



続かないなら、なくしたくない




なくしたくないなら、



好きにはならない方がいいんだ









新しいドラマの撮影が
はじまって、恋人役の子が



やっぱり俺に近づいてきた




柚「連絡先、交換しませんか？」



玉「いいよ」




いつもの事。


大抵、聞かれるんだ、女の子に




断るほうが、めんどくさい




なんで教えてくれないのとか


彼女いるのとか、絶対聞いてくる




ドラマをやるなら尚更
仲良くしなきゃならないから



だから教えるだけ






玉「宮田、カレー作ってよ」



宮「えー、出前頼めばいいじゃん」



玉「たまには、人に作ってもらいたいの。
俺、愛情に飢えてるから」



宮「玉が言えば作ってくれる子なんて
いっぱいいるでしょ」



玉「お前、新しいゲームやらせないよ？」



宮「わかったよ、じゃあ、
今から行くね〜」




仕事終わり、宮田を呼びつけた




やっときたかと思って
玄関のドアを開けたら、




宮田に連れてこられた
Aちゃんがいる




なんだろう、



いつもなら、絶対女の子とか
入れたくないって思うのに、



自然と招き入れてる




嫌いなもん食わされても、



無防備に寝てるのも、



全然嫌じゃない、むしろ可愛いとか
思っちゃってるし





でも、だめなんだよ



好きになったら、離れてくから





そう思ってんのに、



Aちゃんは、俺にキスをした

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