小さな幸せ

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北「ちょっと、トイレ〜」




急に席を外すみっくん



アイドルもトイレとか行くのか
なんて考えてると




パッ！ っと店内の電気が消える




私「え、停電？」




なに？なに？どうなってんの？




完全にパニックになった



その後




店内にバースデーソングが流れ出し、



私達のテーブルに、チカチカと光を放つ
花火がささったホールケーキが
運ばれてきた




……




……嘘みたい




「おめでとうございます！
あちらの方からです(笑)」




店員さんに言われた先を見ると
満足そうなみっくんがいた




やば、嬉しすぎて泣きそう




北「Aちゃん、ふーして？(笑)」




思いっきり、ふーっとロウソクを消すと



店内の他のお客さんからも



おめでとうって声がきこえ、拍手で祝われる




……こんな誕生日は、はじめて





パッ！と電気がつくと、



急に現実に戻ったかのように、



他のお客さんもこっちを気にする事なく



わいわいと仲間うちとの会話に戻る




わたしは、


放心状態




夢の中にいるみたい




こんな事をされて、


堕ちない女子はいるんだろうか




ヤ「やる事かっこいいな(笑)
さすがアイドルは違うわ」



ミ「A、良かったね〜
いい誕生日になったじゃん」



ヤ「すげーファンサービス」



北「ふははっ、ちげーよ
ファンサービスじゃなくて、
友達の誕生日になにかしてあげたかっただけ、
だいたいAちゃん俺のファンじゃ
ないもんな」



私「……あ、うん」




友達……



そうか、



きっと私がみっくんのファンだったら



こんな事、しないか



好きな相手にこんな事されたら、



夢と現実がわからなくなってもっと



好きになっちゃう



それをわかってるから、



みっくんはファンにはこんな事しない



私は、ファンじゃないから友達と
思ってもらえる



みっくんにとっては、
1日限りのお友達




これ以上望んでは……いけない

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