教えて、槍ニキさん ☆ ページ30
(入寮後)
夕食後のトレーニングを終え、入浴も済ませた緑谷出久は、今日の授業での事を思い返しながら廊下を歩いていた。
授業のこと、というのは、昼休み後の実践演習である。今日は敵とヒーローに分かれて、一対一でのバトルを行った。相手に参ったと言わせるか、明らかな戦闘不能になるまで終わらない、体育祭を彷彿とさせる内容だった。
そしてそれで、ヒーロー役だった緑谷出久は、敵役であったAに敗北を期したのである。自分の反省点を考えながら廊下を歩いていれば、当たり前だが視野が狭くなるもので____
廊下の曲がり角。向こうから歩いてきたらしい何者かに、緑谷は普通にぶつかった。
「うわっ！？」
「うおっ」
緑谷は後ろにニ三歩よろけ、たたらを踏む。完全に前を見ていなかった、と思い、慌てて謝ろうと頭をあげた。そこには、
「わりいな、坊主。前見てなかったわ」
「いっ！？い、いえ、だ、大丈夫です！！」
「なんだその声」
そこには実践演習で戦った、というか先程まで彼の思考のど真ん中にいた男。ランサー、クー・フーリン。彼は、挙動不審な出久を見て、溌剌とした声で笑った。
「お前らに怪我させたとあっちゃ、あの嬢ちゃんにどやされちまうからな」
「嬢ちゃん…って」
「分かんだろ？ゴシュジンサマだよ」
おっかねえからな、と冗談めかして言うクーフーリンに、出久は戦闘の時とはまた違う彼を見た。この胸を穿たんと真っ赤な槍を構える男____目付きはまさに、肉食獣のそれであった。だが、今目の前にいるこの男は、ある種の人懐っこさまで感じるような笑みを浮かべている。
＿冷静に観察を続ける緑谷に、まじまじと見つめられ、さしものクー・フーリンも居辛さを感じ始めた。おい、と声をかけると、我に帰ったのか緑谷の方が大げさに跳ねる。
「す！すみません！！癖で！！つ、つい、観察したくなってしまうというかっ」
「オドオドしてんじゃねえ！」
「す、すすすすみません！」
「男ならもっとドンと構えやがれ！ったく…」
呆れたように後頭部に手をやる男に、緑谷はあの、と控えめに声をかける。それに、クー・フーリンは目線だけで答えた。
「さっきの、その…戦いで…」
「ああ、俺が坊主をコテンパンに負かしたヤツな」
「う、うぐ…」
____返す言葉もない。
「その、僕に足りないものは…何だと思いますか！？」
意を決したようにそう尋ねる緑谷に、クー・フーリンは一瞬片眉を上げる。しかしすぐに、ふっと笑った。
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闇音(プロフ) - 初めまして。こちらのシリーズのお話、いつも楽しく読ませていただいています。ジーク君と1日デートするというリクエストは可能でしょうか？本編ならびに番外編も更新を楽しみにしています。 (2020年3月28日 1時) (
レス) id: f425466021 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳(プロフ) - いつもぜんざいさんの小説を楽しく読ませて頂いてます(>_<)すみませんリクエストなのですが、キングプロテアちゃんと夢主ちゃんとA組のお話が見たいです…！更新楽しみにしてます！ (2019年4月25日 20時) (レス) id: 2e7f27e19e (このIDを非表示/違反報告)
リリカ(プロフ) - こんにちは！いつも楽しみにしてます！ リクエストで岡田以蔵と夢主とA組の話をお願いします！ (2019年1月4日 9時) (レス) id: 317858aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンヌオルタサンタリリィ - 初めまして！インド兄弟楽しみです！それからリクエストよろしいでしょうか？私はロビンとビリーが取り合うのがいいです！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 9d73ceb014 (このIDを非表示/違反報告)
夜ト(プロフ) - インド兄弟の続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2018年10月6日 16時) (レス) id: fa8e26fbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぜんざい | 作成日時：2018年5月27日 11時
