【ヒロアカ×FGO】ヒーローになりたいマスターの零れ話【番外編】

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「セイバーオルタ！付いてきてたの！？」
「貴様の困り顔が愉快だったからな。して、私が知りたいのはこれについてだ。詳しく教えてくれるな？」

突然現れたセイバーオルタ＿＿反転した方のアルトリアが、地面に落ちた白い封筒を拾い、ひらひらと振ってみせる。その口の端は楽しそうに釣り上がっていた。誤魔化そうとしても、あー、とか、えー、とかいう言葉しか出てこない。アルトリアは綺麗な笑顔を浮かべたまま、その手紙の封を開け中身に目を通す。そして、ほう、と、一言だけ言った。

「子ジカ？何よそれ？」
「マスター、どうかしました？」

そして小競り合いをしていたはずの2人が、こういう時だけ仲良くオルタの手元＿＿その手紙を覗き込む。そしてエリちゃんのぷるぷるの唇がわなわなと震え___大きな声を吐き出した。

「ら、ら、ら、ラブレターじゃない！！！！！」

そして教室が一気にざわめく。見せてー！と叫んだのはたぶん三奈ちゃんだ。なぜか峰田くんの悲痛な叫びも聞こえた。今日の占い、最下位だな。

＊＊＊

「ごめんなさい…！なかったことにしてください！」

そして三日後。今度は手紙は靴箱に入れられていた。これを貰っても何もしないわたしに痺れを切らしたのか、今日の放課後、体育館の裏に来て欲しいという旨が。
少々面倒くさいがそこに向かうと、そこには朝手紙を押し付けて来たあの男の子がいた。そして開口一番に、こう謝られたのだ。

「え、あ、ああ…い、いいよ…？」
「本当にすみません！」

いいよ、って。何を許したのか自分でもわからない。というか元から断る気だったのだ、わたしは。なのになぜかわたしが振られたような感じになっている。謎すぎる。
去っていったその男の子の背中を見送って、わたしは何か腑に落ちないままだ。そのとき、目の前に霊体化を解いたセイバーオルタ、エレシュキガルが現れた。

「ふたりとも、今の見てた？」
「ああ、見ていた」
「なんかわたし振られた？告白もしてないのに？」
「都合が悪くなったのかしら？わたしにはよく分からないけれど……別にいいじゃない、マスター。あんな男なんて」
「…そだね」

あんな男。そう言い切ったエレシュキガルに、少し違和感を覚える。彼女はそう断言できるほどあのこの子を知っているのだろうか。

「そういえば、キャスターとランサーは？」

朝から姿を見かけないふたりのことを聞く。オルタとエレシュキガルは、不自然なほどの笑顔で言った。

「知らないな」「知らないわ」

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