105話▽憂鬱から夜ふかし ページ9
今回の航海は"遠征"と言っても、その目的は征伐ではなかった。
"ビッグ・マム海賊団の旗を貸してほしい"と言う島の、視察。
さらに言えば……お菓子の
「ママは美味しいお菓子を差し出す島でなけりゃナワバリにはしない。
その島が献上すると言ってきたのは……チョコレート。
だからプリンに味を確かめてもらいたかったのさ。ペロリン♪」
そんなワケで味見係にチョコのプロであるプリン様と、何故か彼女に指名された自分も同乗することになったのだが。
船嫌いな自分には、やはり数日間の航海は辛い。
お菓子の査定も終わり、今は
航海4日目。
自分にとっては長かった旅も、何とか終わりを迎えようとしていたのだが──……
ビシャーン！
ゴロゴロゴロ……
この日の夜は、それは酷い嵐だった。
『……ん〜』
荒々しい風の音をBGMにペンを動かす。
目の前に広げていたネタ帳には、文字の他にも○や×が散在していた。
──バリバリバリッ！
『うわ、デッカい雷』
音があまりに大きくて、自分は思わず窓の外を見る。
本当、新世界でもこんな悪天候そうないって。
クラルス通勤の時もここまで酷い嵐にぶつかったことはない。
ペロス様の船が立派なモンだから良かったものの……中途半端な船なら10秒で木材と化してたよ！
(やっぱ来なけりゃ良かったわぁ)
船上でこんな酷い嵐の夜を過ごすなんて予想外だったんだもの。
時計の針は真夜中の2時を示している。
プリン様もペロス様も今頃部屋で寝てるかな。
……さっきのドデカい雷の音で起きちゃってたりして。
自分は何となく眠れずに……かと言って相部屋のプリン様を起こすのも悪くて、船にある"測量室"でネタ帳を書き進めていた。
ここは船内でも1番広く造られており、共同スペースのようになっている。
最も、こんな真夜中には自分しかいないが。
(……しょーもな)
席を立ち、今度は窓の側から外を見る。
ガラスに映る自分の顔は、随分とくたびれていた。
それもそのはず。数日間まともに寝れていないのだから。
『……海賊なのに船も嵐も嫌いとか、笑い話でしょ』
吐き捨てるように独り言を漏らした時、暴風の中に小さなノック音が聞こえた。
──ガチャリ
測量室のドアがゆっくり開く。
「まだ起きていたのか」
その向こうには……ペロス様と、プリン様の姿があった。
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なめこ(プロフ) - 万さん» 万様、温かいコメントをありがとうございます！駄洒落は割と丁寧に作ってたのでそう言って頂けると嬉しいです。引き続きマイペースで頑張っていきます！ (2022年9月30日 19時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - 初めまして、設定も珍しく内容もとっても面白かったので一気に読んでしまいました！！主人公の駄洒落もついつい楽しみにしている自分がいました！今後も応援しています。 (2022年9月30日 0時) (レス) @page50 id: b14a1161fa (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 橋本アリィちゃん様、感想ありがとうございます！また返信遅くなり申し訳ございません。今後もマイペースに作品更新していくので、よろしくお願いします！最後までのご清覧、本当にありがとうございました！ (2022年9月10日 13時) (レス) @page19 id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても良いお話でした！今後も頑張って下さい！(*´ω｀*) (2022年1月5日 11時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 烏羽Pさん» 鳥羽P様、ありがとうございます！この作品で少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。今後も自分のペースで作品投稿を続けていくつもりなので、どうぞよろしくお願い致します。改めまして、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました！ (2020年12月29日 13時) (レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年10月30日 18時
