115話▽アイラヴ ページ19
自分は、自分の
「Aの目は、私の目にソックリね」
自分と母さんを繋いでくれるものだから。
昔父さんに"顔立ちが母さんに似てる"と言われたが、自分ではあまりそう思わない。
でもこの目は……今は会えない母さんを、唯一感じさせてくれた。
『お願い、食べないでッ……！』
自分を守ってくれるから。
父さんに捨てられたあの日、
あの時初めて"力"を使えて……自分が妖目族ってコト、体感したんだっけ。
「……綺麗」
あなたが褒めてくれるから。
その能力故に、昔は取引相手にビビられたりなんかもしたけど。
自分以外の人から褒められるのは、何だかくすぐったくて嬉しくて。
……そしてこの目をじっと見つめて、母さんが教えてくれたから。
「この世界にはね、沢山の種族が存在するの。
中には妖目族みたいに……もうほとんど残っていないのもね」
『それじゃあその人達も、もうすぐ消えちゃうの？』
「……そうかもね。
消えて、生まれて。この世界はその繰り返しで続いてる」
長年の入院生活で痩せ細った腕。
それでも優しさと温かさが残る掌が、自分の頬を包み込む。
「だからA、もしあなたが妖目族だったとしても……何も難しいことは考えなくて良い。
"血を途絶えさせない"とか"種族のために"とかね」
母さんはこの瞳を通して教えてくれた。
自分の生き方を、自分の歩む道を。
「──自分のやりたいことをしなさい。
1度きりの人生は一族のためでも私達のためでもない。
"あなたのため"のものなんだから！」
「まだ結婚相手は見つからないのかい？」
ママさんと顔を合わせるたびに投げかけられる質問。
早く自分を家族に取り込んで、安心したいのだろう。
『やーもぉソレが！
良いお方は複数いるんですけど、仕事のことを考えるとなかなか』
「ハーハハハマママ！お前は本当に仕事熱心だねェ」
毎度のことなので受け答えにも慣れてきたが。
当然まだ結婚するつもりはない。
"良いお方"なんてのも出任せだ。
「──良いかA、おれはお前を気に入ってんだ！
だからよォ、"裏切る"なんてこと……絶対するなよ？」
この瞳をさらに好きになれたもう1つの理由。
ママさんに気に入られたから。
そのおかげで自分の居場所を見つけられたから。
『ハハ、そんなことしませんってぇ』
……だから自分は、自分の瞳が好きだ！
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なめこ(プロフ) - 万さん» 万様、温かいコメントをありがとうございます！駄洒落は割と丁寧に作ってたのでそう言って頂けると嬉しいです。引き続きマイペースで頑張っていきます！ (2022年9月30日 19時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - 初めまして、設定も珍しく内容もとっても面白かったので一気に読んでしまいました！！主人公の駄洒落もついつい楽しみにしている自分がいました！今後も応援しています。 (2022年9月30日 0時) (レス) @page50 id: b14a1161fa (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 橋本アリィちゃん様、感想ありがとうございます！また返信遅くなり申し訳ございません。今後もマイペースに作品更新していくので、よろしくお願いします！最後までのご清覧、本当にありがとうございました！ (2022年9月10日 13時) (レス) @page19 id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても良いお話でした！今後も頑張って下さい！(*´ω｀*) (2022年1月5日 11時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 烏羽Pさん» 鳥羽P様、ありがとうございます！この作品で少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。今後も自分のペースで作品投稿を続けていくつもりなので、どうぞよろしくお願い致します。改めまして、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました！ (2020年12月29日 13時) (レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年10月30日 18時
