16話▽外へのお誘い ページ18
「ワハハ！そいつは災難じゃたのう！」
某日、司法の塔入口でカクとばったり会う。
任務帰りの彼は指令室へ向かうようで、仕事中の私も同行することにした。
久しぶりに2人で話した気がする。
私はこの間のルッチさんと鳩……ハットリちゃん？の件をカクに話した。
『まさかルッチさんの鳩だとは……』
「ルッチはハットリのこととなると、中々融通が利かんくなるからの。
まァお前さんの腕の1本や2本折られんで良かったわい」
『物騒過ぎだけど！？』
ハットリちゃん、相当ルッチさんに重宝というか……溺愛されてるのか？
失礼だけど、あのルッチさんが他の生き物にそんな強い関心を？
「わしもアイツらの関係はよく分かっとらん。
訓練所時代、気づいたら一緒におった」
『へぇ……可愛かったから飼っちゃった、とか？』
「まさか！
あのルッチがそんな思考回路を持ち合わせとるハズがないわい」
うーん、確かに自分で言ってて"ないな"とは思ったが。
ならどうして彼は鳩を……？
「それよりA、今度わしらと一緒に出かけるのはどうじゃ？」
『え、出かける？』
カクからの唐突な発言に、思わず聞き返してしまう。
「店で茶でも飲みながら語りたくての。
お前さん、
彼の言う通り、私はこっちに来てからもうすぐ1ヶ月が経つが──司法の塔から出たことはない。
休みがないワケではないが、まだ慣れないことも多くあまり行動範囲を広げなかった。
交友関係もギャサリンくらいしかないし……彼女とは"遊びに行きたいね"なんて話してたけど。
まぁ彼なら……CP9の中でも接しやすい方だし、って……
『さっき"わし
「実はカリファもAと話したがっておる。
じゃから今度、3人で街にでも行こう」
(……カリファさん、か)
CP9では唯一の女性諜報部員。
話した記憶も皆無なので少々不安ではあるが……
(カクもいるし、3人なら大丈夫かな？)
会って顔を合わせてみなきゃ、分からないもんね。
実は気さくで話しやすい人かもしれないし。
『……分かった。
ちょっと長官に話してみるね』
「おォ、そうか！良かったわい」
人当たりの良い笑顔を浮かべるカクを見ていると、本当に暗殺者なのか疑問に思ってしまう。
それほどまでに、彼の笑顔は温かい。
彼らのことをもっと知りたいような、知りたくないような。
私はそんな不思議な気分になった。
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
