10話▼おもしろくねェ女 ページ12
▼ルッチ視点
新しくここに来た秘書官は不死身のようだ。
尤も、本当かどうかは定かでない。
ただ……指令室から落ちて無事でいられるのは、六式使いか能力者くらいだろう。
そしてソイツは無事だった。
つまり3択だ。答えはどちらか、はたまた両方か。
だからおれは、試しにソイツを撃ってみた。
真の不死身なら死なない。
まァその時は、また次の秘書官が来るのみだが。
『なん、で』
目の前で苦しそうに息をする女は、そのまま床に倒れる。
……いや、倒れる寸前──眩い光が彼女を包んだ。
「は！？何だこれェ！」
「眩しいッ……」
「……！」
おれ達は咄嗟に目を覆う。
それほどに眩しく、しつこく、鬱陶しい光だった。
少しの静寂の後、ようやく光が止んだと思いソイツがいた場所を見る。
そこには……先程の女のようで、どこか違うヤツがいたのだ。
この前と全く同じ。
白いパンツスーツに身を包んだ、喧しいほどに目をキラつかせる秘書官が。
『……イキナリ何するんですかぁ！？』
「！」
傷を負っているはずの胸元に、流血の跡はない。
それどころかシワ1つの乱れもないのだ。
(……コイツ)
本当に不死身なのか……！
つまりそういう能力者ということになる。
「お前さん、前もそうじゃったが……やけにキラッキラしとるのォ」
「白無垢のようにィ〜……ァ真っ白けッ！」
「はェーおもしれェ能力だな」
『……うわ本当だ白い！？』
「気づいていなかったのか……」
おれ以外のヤツらは興味津々といった風に彼女を囲む。
おれは自分の右手を見た。
指先にはしっかりと血がついている。
確かにおれは、アイツを突き刺したのだ。
「……突然撃つなんて、流石に可哀想よ」
カリファがコソリと横から囁いた。
そう言う彼女の顔にも、全く同情の色は窺えない。
「新入りに挨拶は必要だろう。
それに指1本で死ぬようなヤツは、どうせすぐに消える運命だ」
「結果的には消えなかったワケだけど。
これであなたも納得したのかしら？」
「……くだらねェことを聞くな」
するワケないだろう。
どうせ政府の役人なんて使えないクズばかりだ。
「その状態だと六式も使えるのか」
『え？
いや意識して使ったことないので……
ってカク！急に攻撃してこないで！？』
「ほォ、鉄塊を使いおった」
「……どういう能力なんだ？」
質問攻めにあっている秘書官を、おれはどこかイライラしながら視界から外した。
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
