33コマ目 *黒 ページ34
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ヘラりと笑った君が可愛くて
気付かぬうちに頭を撫でていた自分がいた
何してんだ俺
しかも上手いことが言えずに、ん、なんて言ってしまった
あー、くそ、まじで酔ってる。
外へ出ると皆が集合していた
｢んじゃとりあえず、皆終電もうないべ？｣
｢え、うそ、もうそんな時間か｣
｢あれ？しょっぴーは？｣
｢翔太誰よりも先に支度済ませてお金置いて帰ったよ｣
誰か足りないなと思ってたら、しょっぴーだった
しかも、みんなが30分以上モタモタしてたことに痺れを切らしたようだ
｢俺、一人暮らしだし、いつも通り佐久間くん泊めさせるね｣
｢お、ラウありがとう。おれはダテさんと照預かるねそしたら。｣
｢あべちゃんはこっちでいい？｣
｢うん、アイツも結構やばそうだけど、見ず飲ませればすぐ冷めるタイプだし大丈夫っしょ？｣
｢任せてー！｣
一人暮らし勢の力で、酔って帰れなくなったやつらの世話係を決めるのがいつもの定番
｢Aと康二は？｣
ふっかさんがこちらに視線を向ける
｢あれ？ふっ、え、はは、康二！潰れてるじゃん！｣
｢うぇ？ふっかさぁん？ん〜｣
俺の隣でモゾモゾと動くが、顔を上げる力はないようだ
｢Aも今日やばそうだね｣
えっ、とふっかさんの視線を追うと、さっきまでは普通だったAがこれでもかというくらいニコニコしてた
｢へへ、楽し〜｣
時間が経つと酔いが回るタイプなようで、いつもの高嶺の花のような雰囲気とは変わってふわふわとしている
いつもなら康二もAもこんなには酔わずに、セーブして飲んでいたのに今日は何かが違ったらしい
シラフで楽しそうに帰っていく2人を眺め、俺は一人暮らしの家に帰るのが日常なのだけれど、今日はそういうわけにもいかない
｢こいつら俺ん家連れてきますね｣
ベロベロに酔ってる康二と、どこか心配してしまうAを2人にするのは家に辿り着けるか不安だし、
今日はなんでか、この2人が隣を並んで歩く姿を見たくないと思った
｢、、、そ？じゃあ、頼むわ｣
解散！と叫びみんながゾロゾロと家へ向かって歩き出す
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作者名：なまじ | 作成日時：2020年6月2日 4時
