生意気ボーイ

赤ちゃん ページ30

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玲於side




こいつ、ほんと赤ちゃんみたい




最初、お店にいる時に初めてこいつを見た時は、

仕事ができる取っ付き難い女かと思ってた




綺麗な顔で指示を出すし、


かと思えば発注ミスした人のフォローに回ってるし


接客は上手いし





自分の年上だと思って疑わなかったくらいだ。






『A、です』



だから、こいつが初めて自己紹介をした時はもうほんとに色々衝撃だった


アユさんに隠れるように俺達は全員敵だみたいな目で見てくるから





『いっこしたです…』




全部ひらがなに聞こえるような舌っ足らずな声も、多分俺と似てる




ふわっふわで甘い綿菓子。


それか、うさぎ。




普段コブタコブタ言っていじってるけど、第一印象はうさぎだった






『玲於くん、ドリンクバーどうする？』



ずっとAの顔を見ていたら不意に初めてであった時のことを思い出してポケっとしてしまった




“店員さんを呼ぶやつ。これ。ピンポーン、って鳴るやつ

これ、私が押すから。って、あぁ！玲於くんが押した…”




そんなこと言われたら押したくなるのが人間の性ってもんじゃねぇの？笑



押した2秒後に来た店員さんに、次々と注文して行ったA





玲於｢じゃあ、これで。この、デミグラスソースハンバーグで｣


｢かしこまりました｣




綺麗なお辞儀をして去っていくウエイトレスを見ながら、Aが俺に聞いてきた



『何考えてたの？ボォッとして。』



お前との出会いのこと。

そう言ったらなんだか臭い気がして、咄嗟に誤魔化す



玲於｢いや…、あのウエイトレス、可愛いなぁって｣



嘘。あのウエイトレスの顔なんて覚えてない



なのに、スポンジが水を吸い込むように信じ込んだAはそっかぁ、っていいながらドリンクバーをつぎに立ち上がった




ほんと、あいつが単純で良かった。笑





次は、俺がドリンクバーつぐよー、とかいっていろんな種類混ぜてやろうかな？





そんな馬鹿みたいにくだらないことを考えながら運ばれた料理に手をつけていった





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