【名探偵コナン】もう一人の名探偵【劇場版限定】プロローグ

出会い　工藤新一篇 ページ32

午後3時。

『ここか…帝丹高校』

無事帝丹高へ到着したAは、校門へ寄りかかって新一に
〔着いた！(^ω^)〕
とメールした。顔文字は完全に気分で打ち込んだ←

まさに下校ピークなのか、だんだんと校内から出てくる生徒が増えてきた。

『…なぜにこんなに目立ってんだろ』

ぼそ、と呟くAには、これでもかというくらい好奇の視線が寄せられていた。見るからにここの生徒ではない女子が、校門前に立っている。それだけでも十分興味がそそられるだろう。

だが、Aはただの女子ではなかった。

その美貌に、多くの人間が振り返ってしまうのだ。A自身はそんなこと露知らず、自分に向けられる視線を特に気にかけるでもなく、ただただ校内から出てくる生徒の中に新一の影を探していた。

そして、校内から出てくる新一らしき人物を発見した。後ろに着いてきている女子生徒2人は、どうやら新一と仲がいいらしい。何やら話しながらこちらへ歩いてきていた。

パッ、と新一が校門のAのほうを見た。

『お、いたいた。しーんーいーちー』

軽く手を振りつつ名前を呼ぶと、新一も気づいたらしい。すぐにAの隣にやってきた。

「悪ぃ、待ったか？」
『いんや、大丈夫。なんか大量の謎の視線を浴びたけど』
「あぁー…オメー目立つしな…」
『は？なんで私が目立つの』
「無自覚かよ…」

とそこで、2人の様子を見ていた女子生徒2人がAに笑いかけた。

「え、かわいい！」
「ちょっと工藤くん、誰よこの子！」
「うわっお前ら！」
『えーと…中屋Aです、はじめまして』

ペコ、と頭を下げ新一に〔なにこの状況〕と苦笑する。女子生徒2人はAのかわいさに打ちのめされたらしい。しかしながらそのことを、Aは理解しきれていない。

「私、毛利蘭！好きに呼んでね」
「鈴木園子よ。園子って呼んで！敬語はナシよ！」
『蘭ちゃんと、園子ちゃん。私も呼び捨てでいいよ！よろしくね』
「はぁ…オメーらなぁ…」
「新一、詳しく説明しなさい！」
「っせぇなぁ、わぁってるよ…A、蘭は俺の幼馴染。園子はクラスメートで蘭の友達だ」
『お二人ともお綺麗で…』
「やぁだ！この子、すごいいい子じゃない！」
「…で、Aは…」

Aの紹介をしようとして、新一は口ごもった。これを言ったあと、どうなるか目に見えているからである。

―――
変なとこで区切っちゃってすいません(^-^;

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