１２＊きっとそれは変わらないもの ページ15
｢Aさん…ほ、本当にいいんですか？｣
｢うん。もう必要ないから｣
今まで住んでいた家を見上げて、私は笑った。敦くんは釣られたように微笑んだ。
あの後、乱歩さんが社長に私を推薦してくれた。数日後、私は探偵社へ呼ばれ、社長、福沢諭吉と面会した。とんでもなく圧があった為に緊張し倒していた。
｢…君が朝霧Aか｣
｢は、はい｣
｢探偵社に、入社したいと｣
｢はい｣
社長は私を見た。私は、決して目を逸らさなかった。
｢……良いだろう｣
｢へ、｣
｢乱歩があそこまで推薦するのは滅多にないからな。
…社への入社を認める｣
｢えっ、あっ、ありがとう、ございます、え？
で、でも、その、入社試験とか…そういうのは…｣
敦くんが入社した時、盛大な入社試験が行われたと、敦くんから聞いたことがある。確かに、忘れていたけど言われてみれば、かなり盛大だった。
社長は私の言葉にフッと笑った。
｢…乱歩がな、あの乱歩が、『僕が一切の面倒を見るよ』と言ったんだ。
あいつがそんなことを言うのは無いに等しい…乱歩にそこまで言わせるのなら、認めるべきだと判断した迄だ｣
｢！…そ、うですか、｣
｢これからよろしく頼むぞ、A｣
｢……はい！！！｣
ということがあって、私は無事に武装探偵社の社員になった。私の異能や、父の話は、その後主要メンバーには全て話した。なので皆知っている。
あと乱歩さんは転生前から推しってところもあったので、めちゃめちゃ嬉しい。
｢こんな大きい家、一人で住むには勿体ないしね｣
｢…それもそうですね｣
なので私は、この日を最後に、実家を出ることにしたのだ。実家を出て、社員寮に移る。
父と、十八年間過ごした家。
そこには言い得ぬ程の、思い出が眠っている。
父が居ない一年間はとても早く過ぎ去った気がする。
だけど分かったのだ。
この家に居なくても、父は居る。
父は、私の中に居るのだ。
いつまでも私の中で生きている。
｢いっぱい持たせてごめんね｣
｢大丈夫ですよ！力仕事は専門みたいなところありますし！｣
｢頼りになるなあ｣
そしてかわいい。
やっぱり虎でも敦くんだと犬みたいなところあるな。
精神年齢的には三十路超えてるし、中々母性が溢れだしてしまうぞ。
もう一度、実家を振り返った。それは十八年前から変わらない。大丈夫だ。私は必ず、父を殺した犯人を見つけ出してみせる。
｢…頑張るよ父さん｣
だから、見守ってて。
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三斗(トリップ願望者)シグマ君は私の精神安定剤 - ええええええ！何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止になるかなああああああああああ‼‼‼作者さん！Come buck‼‼‼‼‼ (2022年7月24日 12時) (
レス) @page22 id: 1595fb6da3 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです！更新待っています (2021年8月5日 13時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ。(プロフ) - はじめまして！読ませて頂きました！！めちゃくちゃ面白いです！主人公ちゃんチート過ぎますね笑 好きです！これからも更新頑張って下さいっ！！楽しみにしています！！ (2019年9月1日 15時) (レス) id: fb79d568bf (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ！素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2019年8月21日 16時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 音奏さん» す、素晴らしいですか！ありがとうございます…！更新頑張ります！コメントありがとうございました！ (2019年5月4日 22時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
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