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「でもこれは僕のidentityだからね!」

『そんなアイデンティティーやめなよ風邪ひくよ』

「僕は丈夫だからね!!」

『へぇ』


何かもう、突っ込みが面倒になってきた。


するといきなり、どこからか可愛らしい声が。



《オイ、イイ加減俺ラ出セヨ!》

〈ナンパ止メテソロソロ行カナイト団長ニ怒ラレルゾ〉


「あぁスマホが!!」


焦った棒読み口調で云うマーク。

……怪しい。



すると、


《オ前誤魔化スナラモットマシナ言イ訳吐ケヨ》

〈明ラカニ怪シイゾ〉



『え、ぬいぐるみ?可愛い!!』


ちっちゃい人形みたいなのがぽふんって可愛らしい音とともにいきなり現れた。


マークを見ると、「やっちゃったー」的な顔をしてる。


…気になる。


『ねぇ、マーク』

「……」

『彼らは何?』




「…異能生命体さ!!トムとハックは僕の異能!!!」


やけみたいに云い放った。



「驚いた!?そりゃそうだ、でも」

『マーク、声大きい』

「ッ…」


でもその虚勢は、馬鹿みたいに冷静な私の言葉ですぐに収まる。


そして、その目の中に、諦めみたいな色が浮かぶ。



____嗚呼、そうか。



『ねぇ、マーク』





『私も、異能者なんだ』







言った瞬間、店内を白くて柔らかい光が包んだ。




「…雪?」


『この雪は、ギミックっていうか、偽物なの。私は立体投影の異能者だから』


云っている間に、段々状況を理解したのか、彼の瞳が大きく見開かれた。



「Aも____異能者」


『うん。だから君を差別したりしないよ』




欧州や米国は、日本より異能力が浸透しているせいか、異能者の差別意識が酷いって、何かで聞いたことがある。


彼も昔、厭な目に合ったことがあるのだろうか。



「そうか、君も、そうだったんだ…」



だから、ものすごく嬉しそうに笑う彼の頭を思わず撫でてしまったのは、不可抗力ってやつ。




『改めて、これからよろしくね!』





その後


《人ヲ空気ニシヤガッテ…》

〈無自覚ニイチャイチャシナイデ欲シイ〉


どことなく甘い空気に、砂糖を吐きそうになって文句を云うハック&トムと、


「ふふーん、Aか…。すっごくcuteなladyだったなぁ!あ、連絡先聞き忘れた!!」


慌てつつもにやけを抑えられないトムがいたとか。









「______まぁでもきっと、また会えるよね!!」

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作者名:明月 | 作成日時:2017年6月15日 20時

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