HERO 【基山ヒロト】

∴HERO-5∵ ページ7

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｢……やはり来ましたか｣




にやり、と怪しく笑う父さんは今まで数回しか見たことのない私でもわかるほど変わっていた。



優しくて暖かいオーラをまとっていたはずの父さん。


何があったんだろう。


そんなことを考えていると今まで黙っていた姉さんが口を開いた。




｢…父さん、あの子たちに何を見せたの？
みんな急におかしくなったんだけど｣




姉さんが私と同じことを考えていたと知って、あの時のみんなの目がおかしかったのは見間違いではなかったのだと実感する。






｢もう変化がありましたか。
それは楽しみです｣



｢父さん！！ちゃんと話して！｣





とても重苦しい空気が漂う。

ただ2人を見ていることしかできなくなる。






｢ただみんなを強くしてあげるだけですよ｣



そこからは父さんがにひたすら話し続ける。

聞きたくない、目をそらしたいような話が次々と出てくる。



そんなのみんなを利用してるだけ……





｢…そんなことして何になるの？
父さん、本当にそんなこと考えてるの…？｣




姉さんも驚きでさっきまでの勢いがなくなって、しまっている。





｢ええ、もちろん。
A、おまえもやりたければ入ってもいいんですよ？｣




｢……やだ、私はやらない｣





突然話を振られ、反応が遅くなる。

やらない、といえばリュウジや晴也、風介、ヒロトもみんなを見捨てるようで嫌だった。


でも、それよりみんなを道具のように使う父さんの計画に賛同することのが嫌だったんだ。






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