【d!】ブロンドロリ、拾いました

27 ページ27

.


zm「何やねん、こっちからしたら訳分からんわ
はよ説明せぇや」


シャオロン以上に苛立っているようで、ゾムが盛大な舌打ちをする。
それを合図に、グルッペンが再び口を開いた。


gr「ベルブールは俺の叔母が治めている国でな。
我が国の領土も元を辿ればベルブールの領土の一つ。
更に俺が捕まってた時に散々血液やら細胞やら髪の毛やら取られた。
……ここまで説明すれば、簡単やろ」
em「ま、待ってください！つまりは、Aさんはグルッペンさんのクローンだと！？」
gr「厳密には、半分俺のクローンってとこやろ
Aから母親の名前を聞いたときから、予想はしてたが」


グルッペンが自分の顔を手で隠しながら、天井を仰ぐと同時に、誰もが口を閉ざした。
そんな中口火を切ったのはトントンで。


tn「どうするつもりなん。穏便になんか済む相手やないで」
os「……Aちゃんと引き換えに、無理難題吹っ掛けてくるやろな」
zm「関係ないやろ。なぁ？グルッペン
そんな事、どうだってええやろ」
sha「せ、せや！奪われたんなら、奪い返せばええだけの話やんか！！
やられっぱなしで黙ってA手放すん！？」
kn「そんな簡単な話やないねんて。」
ni「分が悪いどころの話やないしな」

ut「……うちに損しかない勝負なんやったら、……諦めるしかないんちゃうん」

「は？？それ、本気で言うとんのか大先生」

シャオロンゾム対兄さんコネシマの言い合いに紛れて溢れた大先生の一言に、思わず噛みついてしまう。
それは自分で思っている以上に怒気を多分に含んだ声で。
一度口に出してしまえば、後は堰を切ったように流れ出すだけ。


「お前が一番大事にしてたやん。
Aだって、内緒だって言いながら大先生が一番好きやって教えてくれた。
そんなお前がいの一番に諦めるんか？諦めてええんか！？
きっとAは今でも泣いてる！！お前の、俺達の名前を呼びながら助けを求めてる！！
なのに、どうして……！！」

ut「じゃぁどないせぇっちゅうねん！！一度負けてる相手やぞ！？グルッペンを取り戻すだけでもえらい苦労した相手や！！
その結果俺達がどんだけデカイ代償を払ったか！！
当時おらんかったから知らんやろうけどなぁ！！格上の相手から一人取り戻すってそういう事やねん！！！
だから！！だからっ……！しゃあないやろ……諦めるしかないやん……俺やって嫌やわ……！」


立ち上がり俺に怒鳴り反してきた鬱が力なくヘロヘロと自席へと崩れ落ちた。

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す