お母さん ページ32
「例え組頭相手でも、嫌なことは嫌って言うのよ。」
「女の子が嫌がる事をしてくる男はぶってもいいのよ。」
「男の見極めを失敗したら一生の不覚よ。」
そんな彼女の言葉の端々に、「強い母」が炸裂していた。
そりゃこんな人に育てられたら、あれだけまともに優しく育つよな、としみじみ思った。
「ちゃんと聞いてるの?」
「さ、参考に、します…。」
私が組頭をぶったりするような日が訪れるのかは謎だが…いや、思い返せばもう既にこの前同じような事をした気がする…胃が痛い…。
「組頭ね…仕事ぶりは信頼してるけど…。話を聞いてる限り、貴女を預ける相手としては些か不安があるわね。」
「…あの人は、悪い人ではないんですよ。ただ、『恋愛』とか『結婚』とかが分かってないだけで…。」
「そうみたいね…でもまさか、よりにもよって貴女とね…」
「…あの、因みに何処まで聞いてるんですか…?」
「んー。あの人と尊奈門が知ってることは全部♡」
2人とも…随分と尻に敷かれているようで
「そう言えばこの前、小頭が『本当に好きなんじゃないの』って言ってきたんだよね…まじありえんし…」
色々知られると恥ずかしいし絶対何も漏らさないぞ、って思ってたのに、南無三、お母さんが聞き上手すぎて今これです。机に突っ伏してずっと組頭の愚痴を言ってます。本当にこの人の優しさは恐ろしい。
「…貴女まで無自覚だと、誰も救われないわね。」
「…無自覚、なんですかね。」
「自覚したくないだけでしょ。本当は分かってる癖に。」
「…だって…いや、別に…普通に嬉しいですよ、好きって言ってもらえるのは…いや皆んなに初恋ってバレててなんかクソ恥ずかしいけど?!」
「…あそこまでべったりだったのに気づくなって方が無理よ…」
「てか…だって…いや、自分で言うのもアレですけど、多分、その、ちゃんと惚れられてますよね…」
「目に入れても痛くないって感じよね」
「でもそもそもだってそれはこう、父性的なやつだと思うじゃないですか!それが恋心だとか言われてなんかもう私はどうしろと?!」
「…それは…あの人も多分、態と無自覚だったのよ」
「しかもそれ言ってきたのが、あの通達の後ですからね…普通に『あーなんかうまいこと操ろうとしてるな。任務だし乗っておこうかな』って思ったらあんな激重感情向けられて!一瞬回って殺気を感じたんですけど?!」
「それは確かに、あの人が悪いわね」
「でしょ?!」
あぁ、これは夜まで帰れない…ずっと話聞いて欲しすぎる…

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Nagisa Honda(プロフ) - まろんさん» まろんさん、コメントありがとうございます。雑渡さん…良いですよね…思い返せば、私も多分初推しの座を奪われてました笑。これからも書きたいことを書き殴っていくので、もし好みが合いそうでしたらご覧いただけると嬉しいです。 (1月13日 0時) (レス) id: f3e20353fb (このIDを非表示/違反報告)
Nagisa Honda(プロフ) - 上衣さん» 上衣さん、コメントありがとうございます。実は私も映画で一気に組頭にハマりました…はちゃめちゃに強キャラでスマートでかっこいいですよね…! そんな組頭をちゃんと表現できているかかなり不安ですが、これからも気が向いた時に更新頑張ります! (1月13日 0時) (レス) id: f3e20353fb (このIDを非表示/違反報告)
まろん - こなもんさんは私の初恋泥棒なので見ててキュンとします!途中の作者様の気持ちにめちゃ共感しました! (1月11日 2時) (レス) id: 45a7f9af8d (このIDを非表示/違反報告)
上衣(プロフ) - 途中、作者様のお気持ち「雑渡さんのこう言う一面見てみたい」VS「雑多さんはこんなことしない」VSダークライに笑ってしまいましたw 確かに「雑渡さんはこんなことしない!でも、こんな一面をみてみたい!」と私もなります。続きをとても楽しみにしております。 (1月10日 20時) (レス) id: 474ffd7195 (このIDを非表示/違反報告)
上衣(プロフ) - 初めまして。去年、雑渡さんの存在を知り、今回の映画で沼にハマってしまった者です。終始、心の中で「キャーキャー」(赤面)しながら読ませていただきました。続く (1月10日 20時) (レス) @page11 id: 474ffd7195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nagisa Honda | 作成日時:2025年1月9日 11時