認識 ページ18
「組頭…これはあくまで仮定なのですが。」
「うん。何?。」
「恐らく、Aは、夫婦になるという認識は無いですよ…。」
「…なんで?」
組頭はきょとんと首を傾げた…出ました…これ、絶対、本当に何も分かってません…何この人、本当に怖い…。
どこから話せばいいものか、私は頭を抱えた。
「『普通』はですね、夫婦の契りと言うものは、『好意』を伝える事によって結ばれます。」
「…つまり?」
「つまり…Aは恐らく、あくまで『任務』として子を産むことを前提としていると思います。」
「…というと?」
「恐らく、組頭が本気で『夫婦』になろうと思っているとは自覚してないかと…。」
「なるほど…。」
組頭…頬に手を添えないでください… というか、足を揃えて座らないでください…と、言いたい気持ちをグッと我慢する。
今はそれどころでは無い。組頭に現状を理解してもらう方が先だ。
「それはつまり、Aは私の好意に気づいていないから、夫婦になるとは思っていないと?」
「予想するに…。」
「…全く、鈍感な子だよね。」
いや、これは絶対、貴方に責任がありますよ、組頭。
「なるほど。だから君が言いたいのは、『夫婦になるなら好意を伝えた上で、Aにしっかりとそう言え。もし夫婦になるなら、自分達にもそれを伝えろ。』って事でいいかな。」
「そうです。」
正直、こんな当たり前の話にここまでの説明を割かないといけないと思っていなかった。
「なるほど…分かった。やってみるね。」
本当に分かっているのか不安だけど、一先ず『頑張って下さい』と言って私は退散した…。
「って、事があって…。」
「…なにそれ…怖い話じゃん…。」
「そうなんですよ…。」
つい溜息が漏れる。こう言うことは陣内に相談するに限る…正直、恋愛や結婚についてはこの人が唯一のまともな相談相手と言っていいほど、我が軍はそういうものが得意な人がいない。
「…薄々気づいてはいたけど、組頭って…。」
「恋愛感覚、流石にぶっ飛んでない?」
うんうん、と2人で頷く。
「というか…正直、どうですか、最近のお頭。」
「子供を持つ親としては…複雑だよね…。」
はぁ、と溜息が漏れる。
そもそも私はあの2人のことを「微笑ましい親子だな」と思って見ていたので、最近の組頭の言動にはかなり頭を抱えている。
「ちゃんと好きではあるんだろうけどね…。」
「いかんせん、あの人の恋愛感覚がね…。」
その後も「組頭、分からん」と終始2人で頭を抱えていた。

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Nagisa Honda(プロフ) - まろんさん» まろんさん、コメントありがとうございます。雑渡さん…良いですよね…思い返せば、私も多分初推しの座を奪われてました笑。これからも書きたいことを書き殴っていくので、もし好みが合いそうでしたらご覧いただけると嬉しいです。 (1月13日 0時) (レス) id: f3e20353fb (このIDを非表示/違反報告)
Nagisa Honda(プロフ) - 上衣さん» 上衣さん、コメントありがとうございます。実は私も映画で一気に組頭にハマりました…はちゃめちゃに強キャラでスマートでかっこいいですよね…! そんな組頭をちゃんと表現できているかかなり不安ですが、これからも気が向いた時に更新頑張ります! (1月13日 0時) (レス) id: f3e20353fb (このIDを非表示/違反報告)
まろん - こなもんさんは私の初恋泥棒なので見ててキュンとします!途中の作者様の気持ちにめちゃ共感しました! (1月11日 2時) (レス) id: 45a7f9af8d (このIDを非表示/違反報告)
上衣(プロフ) - 途中、作者様のお気持ち「雑渡さんのこう言う一面見てみたい」VS「雑多さんはこんなことしない」VSダークライに笑ってしまいましたw 確かに「雑渡さんはこんなことしない!でも、こんな一面をみてみたい!」と私もなります。続きをとても楽しみにしております。 (1月10日 20時) (レス) id: 474ffd7195 (このIDを非表示/違反報告)
上衣(プロフ) - 初めまして。去年、雑渡さんの存在を知り、今回の映画で沼にハマってしまった者です。終始、心の中で「キャーキャー」(赤面)しながら読ませていただきました。続く (1月10日 20時) (レス) @page11 id: 474ffd7195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nagisa Honda | 作成日時:2025年1月9日 11時