漫画 ページ26
これ以上は危ない。そのうち大声で叫んでしまうかもしれない。
そう思った私はそそくさと返却カウンターへ向かった。
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もちろん轟は私のことを待っていて、私たちは2人並んで寮への帰り道を歩くことになった。
気まずい。
非常に気まずい。
何を話せばいいんだろう。
電話したときも思ったけど、普通科の私とヒーロー科の轟じゃ共通の話題が少ない。趣味が同じわけでもないし。
そもそも轟に趣味とかあるのか知らないけど。
でも何か言わないと、この沈黙に耐えきれる気がしない。
「えーと、轟も…図書館なんて行くんだね」
「ああ。今まで行ったことなかった」
「そうなんだ…あー…何借りたの？」
「少女漫画だ」
少女漫画。轟が。
「へえ！意外！ちょっと見せてよ」
「なんか有名なやつらしくてな。勉強のために借りた」
「あ、これ知ってる！読んだことあるよ！確か好きな人にフラれた女の子が別の男の子に告白されて、」
ずっと付きまとわれてるうちにその男の子の素敵なところが見えてきて、だんだん好きになっていくお話。
と続けようとしてふと気がついた。
なんだか、今のところの私の状況とよく似た漫画だ。
轟は今『勉強のために借りた』と言ったけれど、それはつまりそういう意味？
口の中がカラカラになって声が出てこない。
心臓の音が頭蓋骨の裏まで大きく鳴り響いた。
何か、何か言わなければ。
「お、面白いよねそれ！借りて正解だと思うよ！私何年か前に読んだけど、未だに語れるもん」
「そうか。じゃあ読んだら電話していいか？」
「え。あ…うん、いいよ」
どうしよう。とんでもなく顔が熱い。
今日の夜電話する、と言った轟の声は心なしか嬉しそうだったけれど、私は彼を直視できなかった。
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なぎさ(プロフ) - てのーるさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！本作をお読みくださりありがとうございました！ (2018年10月21日 11時) (
レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
てのーる - 全体がとても良くまとまったストーリー構成で、見ていて気持ちのいい物語でした！ これからもご自愛の上、執筆活動を頑張ってください^^ (2018年10月21日 2時) (レス) id: e945a347a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎさ | 作成日時：2018年8月17日 0時
