【魔法科高校の劣等生】白百合の傍には雨が降る (ページ14)

今日:13 hit、昨日:12 hit、合計:34,414 hit

能力編III ページ14

杏都

頭痛いのは、ぶっ倒れたからではないだろう。見たことの無い天井なのは、誰かが運んでくれたのだろう

？｢……目ェ覚めたか｣

『ごめんね、澪君』

ふかふかのベッドから身体を起こして澪君の顔を見る。彼はいつものふてぶてしい顔で見下ろしていた

澪｢力が漏れ出てきている以上、姉ちゃんと氷華さん連れてさっさと帰ろーぜ｣

『そ、そうしたいのは山々なんだけど……』

まだ頭が痛むんだ、そう伝えると苦虫を噛み潰したような顔で睨まれた

澪｢今、七草先輩と氷華さんが見張りしてくれてるから、頼んではやく……｣

『…………その必要は、無いよ』

え、何故わかるのかって？覚だから……と言ってもわからないだろうから、少し掻い摘んで話すね

私の生まれつきのこの力…心情を読み解くこの力は、私の頭の中に当人の声で心情を読み解ける

そして今、その声が、聞こえてきているのだ。七草先輩の声は遠ざかり、代わりに司波君と深雪ちゃんの声がしてる

最悪な事に、この部屋に入ろうとしている

『司波君！深雪ちゃん！ドア開いてるよ！』

お姉ちゃん、ごめんね。守り通すから安心してね

でも彼等は関係の無い人達だから。四葉の人間であっても

達也｢……驚いたな。耳がいいとは本当だったのか｣

深雪｢わ、私も驚いてしまいました…｣

『えへへ。凄いでしょ！』

……ごめんね。今だけは、偽りの穏やかな時間を過ごさせて