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“例の件” ページ43

おそ松



2度目の朝(と思われる朝)。目が覚めても夢でしたってオチでは無くて。みんなやっぱり疲れてる。


そして一松に聞いた(無理くり口割らせた)氷華ちゃんの昔の話。愛されなかったって本人は言ってるけどンなことないよ。


そして俺にはもう一個、気になっている話があった。それは藍葉ちゃんの事。


「ねェ藍葉ちゃん?」

「あ?」


眠たそうに、しかも不機嫌そうに返事した藍葉ちゃんの隣に座って、彼女の目を見る。さっきここに閉じ込めた弟とは違う赤い瞳。


「弟さん……澪って言ったっけ?そいつの言っていた“例の件”って何?」

図星だと分かりやすいのが藍葉ちゃんの癖だ。って言っても前に氷華ちゃんに教えて貰ったんだけどね。


目を見開き、一瞬驚いた顔をする。そしてすぐに元に戻って。

「聞きたくない話だ。アンタらには関係ない」

「ヘルパーさんの雇い主様なんですけど?」


会話が聞こえてたのか、そうではなく単に俺が藍葉ちゃんの隣にいる事が嫌なのか。

すぐに気がついたカラ松と十四松が明らかに不満げな顔をして。


「……そう言えば、藍葉と澪さんは“何か”探さてるんじゃないの?」


目が少し腫れてる氷華ちゃんはそういうのには鋭いから、藍葉ちゃんの事も分かるんだろうな。


「……カルテだ。私の澪の出生が書かれたカルテを探してたの」

「これ?」ガサッ


物置になってる所から氷華ちゃんが取り出したのは白いファイル。表紙に【機密事項】と書かれていた。


藍葉ちゃんの目は先程よりも大きく見開かれていて。


「……見ていい?」


「ご勝手にどうぞ」


震えた声で尋ねた藍葉ちゃんの目からは涙が溜まってるように見えた。まるでこのカルテを見るのを拒む様に。

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夢沢夏美(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。むふふ、夢1のこと嫌いなのは継母です一応。叔母は夢1の事を嫌っていません。語彙力ないから混乱させて申し訳ない(泣) (2018年6月5日 17時) (レス) id: dbf7975cc0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - えっ?おばさんてっ夢1のこときらいなのに、なんで「貴方は私の」とかいってるの!?わかんない?(TT)更新楽しみに待ってます! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢沢夏美 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年5月17日 15時

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