・ ページ33
一松
寝るとは言った。ぶっちゃけ睡魔が襲って来てるのも事実だ。でもさ、閉じ込められて、しかもいつ離れるか分からないこの状況で、寝れる訳ないよね。
……氷華の事は知らないことが多かった。どんな家庭で育って、どんな人生を歩んで来たのかは知らない。
誰かに恋をしたのかもしれない。失恋してしまったのかもしれない。でもそれを知る術を俺は知らない。
けれど、それが何？いつか知れればそれで良くない？焦ったって意味無いでしょ。だって俺たちニートだもん。オマケにクズ。
長男から末弟まで揃ってクズ。中でもずば抜けてクズなのは…落ち込んでいた俺なのかもね。
｢…………羨ましかった……｣
｢？｣
ふとそんなか細い声が聞こえて、身体を起こすと氷華が見ていた……気がした(夜目に慣れてない)。
｢……氷華？｣
立ち上がって氷華の所に歩くと、彼女は少し俯いていて。なんでもないです、気にしないで下さいと笑う彼女の目にはうっすらと涙の跡が見えて。
｢……嘘言わないで。氷華の顔泣きそうになってる｣
そう言えば、ﾂｳｯと零れた一筋の涙。
それは俺にとって、初めて見た氷華の涙だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢沢夏美(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。むふふ、夢1のこと嫌いなのは継母です一応。叔母は夢1の事を嫌っていません。語彙力ないから混乱させて申し訳ない(泣) (2018年6月5日 17時) (
レス) id: dbf7975cc0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - えっ?おばさんてっ夢1のこときらいなのに、なんで「貴方は私の」とかいってるの!?わかんない?(TT)更新楽しみに待ってます！ (2018年6月5日 17時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
