005・不吉な数字 ページ7
扉が開くと、薄暗くじめじめと湿った空間が広がっていた。
既に集まっている受験者から冷たい視線が集まる。
その視線から逃れるように、被っていたフードを更に深々く下げ顔を隠す。
渡されたナンバープレートは"43"の数字。
それを服に付け辺りを見渡そうと振り向いた瞬間。
「ツッ‥‥」
何かにぶつかり視界が遮られる。
一歩下り、フードの隙間から見上げた。
青髪でオールバックに似た独特の髪型。
そして、狐顔で左頬には涙型、右頬には星形のペイントを施した男が立っていた。
何かに例えるならピエロがふさわい。
と、思いつつとりあえず詫びるように小さく会釈した。
「ごめんさない、人が居るとは思わなくて」
常に周囲の気配に気を張っていたのに‥私が気づかないとは。
この男、只者じゃない。
「こちらこそ♦︎」
男が付けてる44番のプレートが嫌でも目に入ってくる。
不吉な数字だと思いつつ横を通り過ぎた。
狭い空間に人が密集してむさ苦しさと張られた弦のような緊迫感に、息苦しさを覚え隅に移動する。
あれから3、4時間が経つというのにまだ試験は始まらない。
「じゃあ、ここにいる人達皆んな知ってるの?」
「当然よ!いろいろと紹介してやるよ」
エレベーターから降りてきた3人組が、また"新人潰しのトンパ"に捕まっていた。
何度このやり取りを耳にしたのか。
心の中で呆れたため息を吐いていると男の悲鳴が響いた。
周囲の視線が一点に集まる。
そこには、両手を切られもがく男とさっきぶつかったピエロ。
「アーラ不思議❤︎腕が消えちゃった♠︎タネも仕掛けもございません♣︎」
「オ…オオレの腕がッ〜!」
「気をつけようね♦︎人にぶつかったら謝らなくちゃ♠︎」
危なかった、男の二の舞になっていたかもしれない。
脳裏でピエロを警戒人物リストにいれる。
奥から近づいて来る気配に反射的に目線を向けると細身の男がベルが鳴らしていた。
「ただ今をもって受付時間を終了いたします。こちらへどうぞ」
「ハンター試験は大変厳しいものもあり運が悪かったり、実力が乏しかったりするとケガや死んだりします」
「先程のように受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます」
「それでも構わないという方のみついて来て下さい」
言い終えると試験官はゆっくりと歩き始める。
試験官を先頭に受験者達の不規則な列が動く。
「さてと」と、Aは重い腰を上げた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥!!ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥!!(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします!m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます!!やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください!よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ!!!優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます!!更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹枝六花 | 作成日時:2017年8月24日 23時