035・緋の眼が語る真実 ページ37
夕暮れに近い斜光線を受け、海が朱を流し灼熱の太陽を飲み込んでいく。
クラピカはガソリンを辺り一面に撒き散らし、ポケットからペンダントを取り出し見つめる。
手の中で黄金に輝くトカゲの背中には、幾つかのルビーが埋め込まれていた。
赤いルビーが緋の目を連想させた。
仲間の悲痛な叫びが脳裏に直接語りかけてくる。
こみ上げてくる感情をこらえ瞳を閉じてペンダントを力強く握りしめた。
「クラピカ‥‥」
背後の気配に振り返る。
そこには白いキャミワンピースでラフな格好したAが佇んでいた。
夕暮れの海を見ようと岸壁に向かってる道中、悲痛な面持ちで難波船に足を運ぶクラピカを見かね後を追いかける。
真っ赤な夕日が彼を飲み込み喰い尽くす。そうな気がして怖かった。
「この船燃やすの？」
「同胞の亡骸を葬いたい」
この船。
お爺さんがクルタ族の難波船だと言っていたなあ。
「4年前、幻影旅団に私の同胞を虐殺された」
幻影旅団、確かA級賞金首。
クラピカが目元を歪めたのをAは見逃さなかった。
激しい憎悪と怒り。
クラピカは強い眼差しを水平線の彼方に向け物静かに語ってくれた。
クラピカはクルタ族の唯一の生き残りで。
ルクソ地方の奥地に住む少数民族クルタ族は、感情が高ぶると目の色が赤色に変わる。
"緋の眼"と呼ばれ世界七大美色の一つに数えられ、人体収集家の間で超レアな逸品として取引されていた。
そのせいで‥殺された。
振り向くクラピカの瞳が赤色に染まる。
Aは一瞬息を止めた。
「うち捨てられた同胞の亡骸からは1つ残らず目が奪い去られ。今でも彼らの暗い瞳が語りかけてくる無念だと」
「死はまったく怖くない。1番怖いのは、この怒りがやがて風化してしまわないかと言うことだ！」
「幻影旅団を捕まえる。それがハンターになる理由なんだ」
話に耳を傾けてると悲しい気持ちに引きずり込まれる。
「クラピカ‥」
マッチを投げ入れるとたちまち火煙が立ち込めた。
悲しみ、怒り、憎しみ。様々な感情が込められひしひしと伝わってくる。
言葉が胸に突き刺さりぎゅっと締め付けられた。
感情移入してしまったせいなのか自分の事だと思えてならない。
なんて、虚しくて悲しい復讐。
クラピカは闇を1人で背負って生きてる。
彼の側に、誰か1人でも居たら救われていたのだろうか？
Aは夕日色に染まった悲しそうな背中をそっと後ろから抱きしめた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
