031・独占欲の塊 ページ33
不本意だがここは大人しくしていた方が身のため。
自分を抱き締めているヒソカと長髪男のやり取りを窺う。
ヒソカの顔にはいつもの笑みはなく、長髪男を険悪そうに睨みつけていた。
抱き締める腕に力がこもってるのが伝わってくる。
ヒソカ?
「‥‥‥♣︎」
「‥‥‥‥」
その場に2人の殺気が満ちる。
重い空気の中先に口を開いたのはヒソカだった。
「イルミ、Aはボクの獲物だ♠︎手を出したらタダじゃおかないよ♣︎」
イルミはその言葉を聞いても、表情を変えず淡々と話しながら私達の横に腰掛けた。
「わかってるよ、短いつきあいだがヒソカの好みは把握している」
「それならいい♦︎」
ヒソカにイルミと呼ばれた長髪男をチラッと覗くとまた視線がぶつかるものの殺伐とした殺意は感じられなかった。
「面白い素材だ。ヒソカが闘いたいって思う気持ちがよく分かるよ」
「だろ❤︎」
ヒソカとイルミの目が私に注がれる。
えっ?
Aは会話の内容が理解出来ずにいた。
意図を掴めない言葉に、物恐ろしく警戒して己の体を固くする。
私のことを言ってるのか?
獲物‥?面白い素材?
頭の中で整理すると一個一個の点が線でつながり始める。
ヒソカにとって私は"欲望を満たすための玩具"?
だから、私に執着していたのか。
ヒソカの目的は‥‥、
そんなの決まってる私を殺すことだ。
冗談じゃないわ。
こんな奴に‥ たまったもんじゃない。
上等だわ。簡単に殺されるほどヤワじゃないわよ。
ヒソカが更に私の体を強く抱きしめた。
離すように声を上げるがヒソカは応じる気配は微塵もない。
もがいてもヒソカの腕はびくりともしなかった。
ふっと気配が近くなり、Aは無意識に息を殺す。
琥珀色の眸子が心まで見透かそうとするように目を除き込む。
「ヒソカ離して‼︎」
悲鳴に似た声が静寂の空間に響き渡る。
ヒソカはさっきと打って変わってすんなりとAを解放した。
贅肉のない引き締まった体から素早く抜け出すと距離を取る。
「Aは恥ずかしがり屋さんだね❤︎」
こぼれるような笑みを見せクスリと笑う。
これ以上付き合いきれない。
汚いものでも見るかのように眉間にしわを寄せ、怒りをこめヒソカを睨みつける。
「馬鹿じゃないの‼︎アンタの思い通りには行かないからね‼︎」
条件反射で怒鳴り散らし、Aはやり場のない両手をぎゅうっと握りしめた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥!!ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥!!(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします!m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます!!やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください!よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ!!!優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます!!更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹枝六花 | 作成日時:2017年8月24日 23時