022・手癖が悪い ページ24
「記憶は取り戻したのかい？」
眠たいのか瞼をこすり奥まで見えそうな大きな欠伸をするAに問う。
その言葉にAは難しく眉を顰め表情を曇らせた。
その様子では記憶は戻ってないのか。
一体君は誰なんだい？
まあAが何処の誰だろうがボクには関係ないし興味ない。
だって僕を興奮させて惹きつけるのは今の君なのだから。
「半ば半分諦めかけ。でも、どうしても諦めきれなくて‥」
苦笑いをするAに微笑み甘い言葉の果実を差し出す。
「ボクに出来ることがあったら遠慮なく言って♦︎」
「ありがとう」
「でも大丈夫。気持ちだけ受け取っておくね」
口元では笑みで応えているが眼は笑っていない。
てっきり飛びついてくると思ったのに。
自分で言うのも変だが、そこらの男より女の扱いは長けてるつもりだけど彼女はかなり手強い相手だ。
「そう言わず心に留めておいてよ♦︎」
返事がない代わりに肩に重みが掛かり視線を向ける。
そこには微かな寝息を立てるあどけない寝顔があった。
つい欲望のままに細い首を軽く絞めると規則正しく打つ脈を感じる。
このまま力を加えればきっと僕が望む表情をしてくれる、君の顔が苦痛で歪む姿を。
でも今はガマンしなくちゃ。
「アンタなんて‥‥きらい‥」
ぽつりと漏らした声に我に変え顔を上げた。
口をムニャムチャと動かしているが瞼は閉じまま。
僕の殺意に起きたのかと思ったがただの寝言か。
首元から手を離し頬に持っていく。
柔らかすぎず硬すぎず丁度いい具合の締またいい肉付きを引っ張ってみる。
「‥‥‥‥♦︎」
かなり頬を引っ張ってるが起きる気配は微塵もない。
ちょっと不細工になった顔に声を殺し笑う。
無防備な寝顔は、大人になった今も変わってないな。
6年前出会ったころと、少しも。そして今も。
近くにあったタオルケットをAにかけ、ヒソカは目を閉じ思考のスイッチを切る。
『皆様、大変お待たせ致しました。間もなく目的地に到着です』
船内放送で目を覚まし隣を見るがAの姿はなく。
綺麗に畳まれたタオルケットとその上に置かれた紙が残っていた。
紙には丸みを帯びた筆跡で、
背後から凝視してくるの辞めてね、居心地が悪い。と書かれていた。
喉をクツクツさせなが立ち上がり窓から外を覗く。
そこには巨大な要塞が、不吉な白蟻の塔のごとく和やかな朝の光に包まれくっきりとそびえ立っていた。
面白くなりそうだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
