＊310話「取っ捕まえる」 ページ42
戻ってきた瞬間、抜けていた間に調子を取り戻したのか、
自信を取り戻したのか、こちらにわざわざ来て煽る早乙女。
ワンパターンか......。
「わざわざ負けにようこそ」
「悪いけど、さっさと勝たせてもらう」
「は？ なにい」
「うちには“強いやつ”しかいないのよ」
「っ！！」
“当たり前”のことを言いつければ、
ひきつった笑みを張り付ける早乙女。
だが、私も自分で言ったくせに思わず口を押さえた。
最初の言葉は言い返そうと“思って”いった言葉。
でも、次に出てきた言葉はもうほぼ“反射”的なものだった。
考えるより先に出てきた言葉に、自分でびっくりする。
だが、それと同時に気づく。
ちゃんとわかってる、のだと......。
口にあてていた手を下ろし、ふっと笑う。
大丈夫。
ちゃんとわかってる。
「A」
「さっさと終わらせよう」
「......ああ！」
力強く言えば、
結良は目を丸くするも、すぐに同じ熱を返してくれた。
ふう、と空気だけを口から出し、構える。
放れたサーブ。
間を狙ったみたいだが、ややリベロよりになり、私のところへかえる。
「ナイスレシーブっ」という私の声と、
チッという早乙女の舌打ちが同時に響いた。
そのまますぐにボールの真下へいき、
視界の端で結良をとらえる。
すでに助走をしている彼女にあわせ、
アンテナまでの長く高いトスをあげる。
ドンピシャ
振り下ろされる腕。
3枚ブロックがつく。けど、関係ない。
ブロッカーよりも長く空中にいる綺麗な姿勢。
打ちおろされたボールはストレートきれっきれに決まった。
「「あーい！！」」
パシンっとハイタッチをかわす。
カウントは21対22。
その背中を取っ捕まえる。
＊311話「鵜の目鷹の目」向日side→←＊309話「最後」
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
