＊230話「過去編〜災厄のレモネード〜」 ページ8
「はい、休憩です！」
ベンチにドリンクとタオルをもらいに行くと、
久しぶりにさえちゃん先生が来ていた。
「はーい、ちょっと集合！」
その日の先生はなんだか寂しそうで、
声にいつもの快活さがないように思えた。
そのことを感じたのは私だけでは無いようで、
結良がいった。
「どうしたの、さえちゃん？」
「練習に集合かけるなんて珍しいね！」
「うん、ちょっとね」
ふうーっと自信を落ち着かせるように息を吐いた先生。
「実は……学校をやめることになりました」
その言葉を理解するのに少しばかり時間がかかった。
「え、なん……どうして？」
「春に私が結婚したのは知ってるよね？」
「あぁ、はい。確か、交流合宿の時に」
「そうそう。でね、お腹に赤ちゃんができたみたいで……」
「「「「赤ちゃん！？」」」」
全員、思わず先生のお腹を凝視した。
特に何も変わりはなように思えるそこに、
新たな生命がいる……。
お腹に手を当てながらはにかむ先生は続けた。
「だから、産休と育休を考えるとちょっとねぇ」
「確かにそれを考えるとやめたほうが楽ですよね」
「結婚したばかりなのに押し付けんのもどうかと思うし」
「別れたら、次なさそうだもんね。さえちゃん」
「そこ！ 一言多いわ！！」
毒舌なコメントを述べる後輩に突っ込む先生。
ようやっといつもの雰囲気が戻ってきてなんだかほっとする。
そんな中、叶羽が不安そうな顔をしていたのに、先生と私が気づいた。
先生はふっと柔らかな笑みを浮かべた。
「叶羽、あんたが不安なのはわかる。
でも、あんたたちはいつも三人で支えながら来たでしょ？
それに頼りがいのある後輩もいる。
一人じゃないんだから大丈夫よ」
「……そう、ですね。がんばります！」
「というわけで、宇佐美早苗！
千鳥山中女子バレー部顧問を卒業させて頂きます！！」
「うぇ、っと」
咄嗟のことに言葉が出てこない主将、
結良を見兼ねて口を開いた。
「今までありがとうございました」
「「「「ありがとうございました！」」」」
けたけたと心底可笑しそうに笑うさえちゃんの視線の先には、
呆れ顔の叶羽と、何か言いたげな顔の結良、そして素知らぬ顔でいる私がいた。
そうして、運命の日まで刻々と近づいていった。
「ふっ……」
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星蛍(プロフ) - ゆっぴぃさん» ありがとうございます！来年１月からハイキューが始まると聞いて最近更新を頑張っている次第です笑 パスワードにつきましてはこちらのミスです。すみません！！今日中に解除します！！ (2019年11月19日 11時) (
レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 猪絢さん» ありがとうございます！パスワードは解除したつもりでした。すみません！！今日中に解除しておきます！！ (2019年11月19日 11時) (レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴぃ(プロフ) - 凄い面白くて毎回更新楽しみにしています。7章はパスかかってるので見れないのが悲しいです。近々見れるようになりますか？早く続き読みたいです。 (2019年11月19日 10時) (レス) id: 3c7526cd22 (このIDを非表示/違反報告)
猪絢(プロフ) - 面白くて読み込んじゃいました！7章パスワードかかってた見れないのですがまだ書き途中だったりするのでしょうか…？ (2019年11月19日 1時) (レス) id: 262406d3d0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 杏樹さん» それは良かったです！ありがとうございます(^-^) (2019年11月18日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2016年1月8日 20時
