＊218話「過去編〜制服に着られる一年生〜」 ページ44
突然現れた結良に、私だけでなく目の前の先輩たちも目を白黒させる。
そんな中、本人はこの場にそぐわない天真爛漫といった笑顔で私に声をかける。
「もう何やってんのさ、Aー」
ニコニコと笑う彼女は一周回って気味が悪い。
どう反応すればいいかわからず、言い淀んでいると、
「おい、何無視してんだよ！」
全く存在を認識されていなかった先輩たちが、
苛立たしげに結良の肩をつかんで、自分たちの方へ振り向かせた。
すると、スッとそれまで浮かべていた笑みが消え去り真顔になる結良。
その急変にぞっとした……。
「何？」
「お前、噂の東雲結良だろ？
少し頭とスポーツできて顔がいいからって調子のんなよ」
「第一そんな顔いいわけでもなくね？ フツーじゃん」
「チヤホヤされることに慣れてんだろ？ マジウゼー」
それに気づいていないのか、先輩たちは口々に結良の悪口を投げる。
後ろ姿のため、今彼女がどんな表情をしているのかわからなかったが、
雰囲気でキレているのだと察した。
何故かバクバクと心臓が激しく鳴る……。
「だいたい」
「あのさ」
わざと先輩たちの言葉に被せてきた結良。
先輩たちはそのことにイラッとしたようだが、
私はそのあまりに冷たい声色に冷や汗が流れる。
「一対大勢でしか喧嘩ふっかけられないような弱虫に言われたくもないんだけど」
何を言うのかと体を固くしていると、そんなことを告げる結良。
先輩たちは最初何を言われたかわからなかったみたいだが、
言われたことを理解した途端、顔を真っ赤にした。
「なんですって？！」
「あんた、ちょっとできるからって生意気なんだよっ」
ひゅっと顔の横を
「おっと……ってごめん」
「だ、だいじょうぶ」
耳の横を掠めたものは教科書で、思わず顔を青くする。
どうやら結良が避けて、私の方へ飛んできたらしかった。
「一年が意気がってんじゃねぇよ！！」
もう一冊鞄から取り出し投げようとする先輩。
今度はあたる、と思い目をつぶったとき、
「うちの一年に何か用か？」
「む、向日……」
いつからいたのか、真赭さんと藍さんがいた。
「うわー、集団リンチ？サイテー」
「宮瀬まで……」
先輩たちは二人の顔を見た途端、
バツが悪そうな顔をし、すぐにそこから立ち去った。
＊219話「過去編〜制服に着られる一年生〜」→←＊217話「過去編〜制服に着られる一年生〜」
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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています！ p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました！ そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます！！更新頑張ります！ (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです！続き楽しみにしてます！ (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2015年11月9日 21時
