【HQ】烏に紛れている鷹 part4【烏野】

＊167話「最悪な勘違い」弧爪side ページ35

リエーフの問題発言に、固まるAと騒ぎ出す周り(主に烏野)

見惚れていた……？

そうリエーフは確かに言ったが、Aの様子を見る限り……。
違和感に首を傾げていると、呆れた顔で真赭がリエーフに言う。


「Aがあんたに見惚れるわけないだろ？
自意識過剰過ぎだろう」

「ちょ、姐さん酷くないっすか？！」

「お前の姉になった覚えはねえっ」


真赭の言葉に少し落ち着く周り(主に音駒)

確かにリエーフは自己認識が低い。
どっから来るんだろうか、という自信が多い。

でも、続いた言葉に流石の真赭も固まる。


「だって、言ってたんすもん！！
実際、俺のこと見てたっすよ」


ねっ、といきなり振られたAは「まあ……」と言った。

その言葉にまた周りが騒ぎ出す。
ていうか……。


「誰が言ったの？」


ずっと気になっていたことを聞けば、リエーフは嬉しそうに答えた。


「藍先輩っす！！」

「藍かよっ！！」「宮瀬かよっ！！」


全く同じ反応をする音駒高校男女バレー部主将。

でも、その言葉を聞いて妙に安心する。
Aもようやく合点がいったみたいで、ほっとしたように息を吐く。


「リエーフ」

「なんすか、研磨さん」

「藍の言葉は真に受けちゃダメ」


なんでですかー？と首を傾げるリエーフに、
これ以上はもう経験して覚えればいいと投げる。

でも、リエーフは気になるようでしつこく聞いてくる。


「えっと、リエーフ君？」

「は、な、なんですか？」


Aに話しかけられ、そわそわと落ち着きをなくす姿にイラッとする。
まあ、元から落ち着きなんてないけどさ……。

Aは苦笑しながら言った。


「ごめん、惚れてはいない」

「え……」


当然の答えに固まるリエーフ。
当たり前だよ……。

でも、続いた言葉はあまり嬉しくなかった。


「プレーに見入って(・・・・)はいたけど」


そういうなり、「ごちそう様でした」と席を立つ彼女。

また、静かになる食堂で先に我に返り、ため息をつく。
A……それも問題発言だよ。

一気にうるさくなった周囲に耳を塞いだ。

＊168話「入れない会話」→←＊166話「灰羽リエーフ」

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