＊151話「正式入部」 ページ19
テストも終わり、谷地さんが正式入部ということで、
久しぶりに長袖のジャージを着る。(正確には羽織る)
「あっちぃー」
「ちょっとの間だけだから」
「まあ、わかるけどね」
夏に長袖は何故かごわごわして好きじゃない。
あまり汗をかいてないはずなのに……。
袖を肘までまくり、ファスナーは全開にしておく。
襟元をパタパタして、少しでも熱気を逃がしていると、
集合をかけられる。
「えー、テストも終わって、
今日から谷地さんがマネージャーとして正式入部ということで……」
意味深に言葉を区切った大地さん。
その間に潔子さんがジャージを谷地さんに手渡す。
手に取った瞬間、感動した様子の谷地さんに懐かしさを覚える。
「せーのぉっ」
「「「ようこそ！烏野高校排球部へっ！！」」」
「よろしくお願いしあすっ」
蛍君と私以外、背面の文字を見せながらそう叫ぶみんな。
そして、それに目を輝かせる彼女。
マネージャーが三人になった瞬間だった……。
谷地さんのためだけに着た長袖ジャージは、
この暑さではもう用無しだと言わんばかりに、みんなさっさと脱ぎだす。
「わざわざ着る意味あったんですか？」
「んー、歓迎的な？」
「……理由になってないと思います」
ぶつくさ言いながら長袖をたたむ蛍君。
まあ、洗濯が増えちゃうからねえ。
いかにも不服です、という顔に苦笑しながら私も長袖をたたむ。
最近、よく蛍君と話す。
その代わりに、
チラリと横目で確認した彼は、
普段と変わった様子もなく、大地さんと話していた。
なんか、不思議だ……。
今までだったら、
すぐに気づいて話しかけてくれる
なんでだろう……？
そこまで考えてハッとする。
いや、なんで気づいてほしいとか思ってんの？！
話してないんだから、しょうがないじゃん！！
聞かれたら聞かれたで困るくせに、
聞いてほしいと思っている自分勝手な己を恥じる。
そう思いながらも、
私は、自然と視線が彼の方にいっていることに指摘されるまで気づかなかった。
＊152話「テスト後、そして東京へ」→←＊150話「焦る距離」菅原side
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星蛍(プロフ) - 麗さん» コメントがすっかり遅くなってしまい、申し訳ありません。そうですね。検討しておきます！ (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ こっちゃん とあだ名？で呼ばれていますが、これは固定なのでしょうか？ 名前変換出来るのにあだ名だけが固定だと不自然に感じます。 固定の名字から取るなら分かるのですが変換出来る名前から取ったあだ名だと違和感あります。 (2020年11月12日 19時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - ムーンさん» すみません！！変換機能をオンにするの忘れてました。直したので、名前変換できると思います。 (2019年2月25日 17時) (レス) id: 4856ab23f3 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 名前がずっと古都となっているのですが変換はできないのですか？ (2019年2月24日 22時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» 返信遅れてすみません！！ ほめ言葉として受けとります笑 ありがとうございます！ (2019年2月22日 18時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2015年10月14日 20時
