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秘めた想い その後 15 ページ7

玉森くんは私が泣き止むまで
ずっと抱き締めて頭を撫でてくれた。



私が泣き止む頃になって

「……なんで君たちがそんなに泣いてるの?」

玉森くんが言うから何のことかと思ってると
確かに鼻を啜る音が聞こえて

「だって………」「なんか胸が温かくなって……」

振り返ってみたら宮田くんとAちゃんが2人揃って泣いてる。



「もー、意味わかんない」

「タマがAちゃんと、仲直り出来て良かったー、って思ったら、何だか涙が止まらなくて」



宮田くんがものすごく泣いてるど
そんなに泣くかな。



お陰で冷静になれてきて。
涙を拭うとAちゃんに向き直って

「とりあえず、私、帰るね」

「はい。今度は普通に遊びに来てください」

「あはは、そうだね」

泣き顔のAちゃんと笑い合う。



「シーツ洗って返すよ」

「いいよ、俺がこの後洗うから」

「え、悪いよ」

「いいって。それよりタマの事よろしくね」



宮田くんに言われて我に返る。

玉森くんを振り返ると
完全に私についてくるテンションの顔をしてる。



「……じゃあ、またね。玉森くん」

「は?ふざけてるの?」



間髪入れずに言う玉森くんは
やっぱりついてくるつもりだった様子。



「だって玉森くんが来るなんて思ってなかったし」

「いまうちの方がめっちゃ汚いから大丈夫」

「大丈夫って…」



何が大丈夫なの?
なんて言う権利は私には無いらしい。

玉森くんは私の腕を掴むと

「じゃあね、宮田夫妻」

「はーい」「また来てください」

どんどん私を連れて宮田くんの家を出る。



「Aの家どこ?」

「ここから歩いて10分くらい」

「そ。じゃあ歩こ」



ズンズン歩く玉森くんは
その後うちに着いて私がシャワーを浴びて出てきた時からずっと私にくっついている。



「玉森くん?」

「なに」

「狭くない?」



1人で座る前提だから小さいソファに2人で座る玉森くんは

「離れないよ、明日帰るまで」

「え、泊まるの?」

「当たり前でしよ。もう離れたくないもん。明日からまた離れ離れなのに」

ギュッて抱きしめてきて。



「A、本当にごめん。Aがどんな気持ちかなんて考えなかった」



とろけそうなくらい甘いキスをしてくる玉森くんは

「改めて、こんな俺とこれからも付き合ってくれる?」

私の目を見て真剣に言ってくれるから

「うん」

しっかり頷いて玉森くんと微笑みあった。



でもこれからは遠距離になっちゃうんだよね。

私たち、大丈夫かな。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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