すぐ近くにいる another story 11

秘めた想い その後 20 ページ17

「わぁぁーん！タマぁーーっ」

「うわ、うるさ」



玉森くんが来てくれた次の日
宮田くんと約束してたから宮田くんのおうちに行く。



当然その前に電話をして玉森くんも一緒でいいかを聞くと

『タマこっちに来てくれたの！？良かったぁ、ちょっと怒っちゃったから心配してたんだよね！』

なんて言うから私は「？」で。

よくよく宮田くんから話を聞いたら昨日の南川くんと五堂くんのあの告白は宮田くんも少し絡んでた事や
玉森くんが突然来たのは宮田くんのお陰だった事が分かる。



でも玉森くんは

「違うよ！俺は元々Aに会いに行こうと思ってたもん！」

ってムッとしながら言うから
もしかしたら玉森くんは迷ってたところを宮田くんの話が決定的になって来てくれたんだろうな、って思う。



だから「みやっちのせいじゃないもん」と宮田くんのおうちに行く道中もブツブツ言うくらいご立腹で
その結果、玉森くんは宮田くんに対して冒頭の塩対応だった。



「良かったねぇ、Aちゃんっ」

宮田くんから話しかけられても

「そもそも宮田が『Aには彼氏いる』って言えば済んだじゃん」

玉森くんが横から抗議してくる。



「だって勝手に言うのもおかしいじゃん」

「いいんだよ、めんどくさい事になるの嫌だもん」

「えぇーっ、でもさぁ…」



ブツブツ言う玉森くんは何かを言いかける宮田くんをスルーして

「Aちゃーん！お土産のケーキ。AちゃんとAと俺の3つ分入ってるから」

Aちゃんにケーキを渡す。
笑いながら「ありがとうございます」って笑顔で受け取るAちゃんの横から宮田くんが箱の中身を確認して

「え！ホントに3つしかないんだけど！！」

って宮田くんが嘆いてるけど。



玉森くんが選んだケーキは
宮田くんが好きそうなイチゴのタルトだったから。

きっと玉森くんは私と1つを半分こして
宮田くんには1つ渡すんだろうな。



「やっぱりAちゃん、誰かに取られちゃえ！北山さんとか！」

「北山さん、彼女いるよ」

「え！？そうなの！？だってこの前Aちゃんにアタックしてたって…」

「『してた』だもん。もう違うよ」



宮田くんとわちゃわちゃした玉森くんは

「あ、そだ。Aこの後お買い物するからそのつもりでここにお邪魔しててね」

って私を振り返る。



「お買い物？」

玉森くんはギリギリまで宮田くんのおうちで過ごすと思っていたんだけど

「うん、駅前ね」

謎にニッコリ笑って玉森くんは言った。

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