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ジンクス(すぐ近くにいる ki) 11 ki ページ24

二階堂に観覧車のチケットを貰ってから
いつ乗ろうかな、って思ってた。

不安がってるAに
気持ちを伝える場所がマンスリーなのもな、って思って
観覧車に誘った。



「乗った事ある？」

聞いてみると

「…あるよ」

少し間を空けるから
これは男と乗ったな、ってすぐ分かる。



それですらモヤっとするくらい
Aにベタ惚れなのになんで不安になるかな。



写真も撮って観覧車に乗ると
Aは向かい側に座ろうとするから

「こっち」

抱き寄せると照れくさそうにしてて可愛い。



景色を見てるのに
Aはふと俺の顔をじーっも見てくるから

「見すぎ」

小突くと嬉しそうに笑うからさらに可愛い。



こんなに好きで、ベタ惚れで。

大切にしなかったから離れかけちゃったけど
やっぱりAと離れたくない。



Aが好きで大切だから。

Aがもう不安にならないように
『好き』をずーーーっと伝えていこう。



Aとおでこを合わせると

「さっきの話さ。何度も言うけど、俺はAが好き」

目も合わせてAに言う。



「なんの証拠も出せないけどA以外好きになれないし、Aにも俺以外好きになってほしくない」



これがとにかく本心で。

Aが好きで本当に好きで、とにかく好き過ぎるから
もう俺以外見てほしくない。



Aに顔を近づけるとAも逃げずに目を閉じるから
そっとキスをして

「…好きだ」

唇を離して心から言う。



「一生、俺のそばに一緒にいて欲しい」



真剣だからAの目を見て言うと
Aは目を潤ませてる。



「…それって、プロポーズ？」



Aは言うけど。

プロポーズは改めてちゃんとしたいから

「ううん、プロポーズはプロポーズでまた別でする。今のは俺の正直な気持ち」

そう伝えるとAは嬉しそうに笑ってくれて。



「私も、宏光が好き」



呟くように言って、ポロッと涙を流して

「宏光には私だけ見て欲しいし、私も宏光だけ見てる」

Aが俺の手に手を重なるから
逆の腕でAを抱き締めてキスをする。



胸がいっぱいで。

俺もなんだか泣きそうになる。



長いキスの後
Aの頬に零れてる涙を拭うと

「荷物は俺ん家に運ぶぞ？」

聞くと

「うん」

Aが頷く。



「『行ってきます』と『ただいま』はキスしよ」

「…うん。いいけどなんで？」

「ん？『好き』を毎日確認すんの」

「ふふっ、いいね」



幸せそうに笑うAの笑顔を
今度こそ守るから。

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