after Dahlia 14 side 2 ページ22
新潟市街に近くなる頃
スマホが鳴る。
見ると知らない番号。
…まさか。
パーキングエリアが目の前だから慌てて入って
「はいっ」
急いで電話に出ると
『……』
電話の先は無言。
でもさすがに分かる。
だから
「…A？」
呼びかけてみた。
『…ニカ…』
やっぱり声の主はA。
声を聞いたら
ものすごく気持ちが溢れてきちゃう。
無事で良かった、とか
声聞けて良かった、とか
Aから電話くれて良かった、とか。
でも一番は声が聞けて
しかも『ニカ』って呼んでくれたのが嬉しくて。
「ね、もう1回呼んで？」
言うと
『…ニカ』
Aが涙声になるから堪んなくて。
「もう1回」
甘えてみると
『……高嗣』
名前で呼ばれるからめちゃくちゃ嬉しくて。
「ね、いまどこ？今すぐ会いたい」
自分でも恥ずかしいくらい甘えた声。
でもそんなの気にしてらんないくらい
Aに会いたくて。
『えっ…と、ごめん、まだ新潟で…』
Aが泣きながら言ってるけど
「ん、もーすぐ俺も新潟」
途中で遮ると
『えっ！？』
Aが驚いてる。
「待てなくて車で来ちゃった！」
わざと明るく言うと
『………』
鼻を啜る音がするから多分またAは泣いてる。
もう泣かないで。
1人で不安にならないで。
俺にも一緒に考える権利、ちょうだいよ。
だから
「ね、いまA前に教えてくれた公園にいない？」
聞いてみると
『……なん、で、分かるの？』
めっちゃ泣いてるA。
「分かるよ。Aの事なら何でも分かる。時間掛かっちゃったけど、いまAがめちゃくちゃ不安なのも分かっちゃった」
ズズっ、てAが鼻を啜る音を聞きながら言うと
『…ごめ、ごめん…ニカ…、ッ…』
もう嗚咽になって声になってないA。
俺まで泣きそうになる。
ずっと我慢させて不安にさせてごめん。
「ね、あと1時間くらいかかるけど、そこで待ってて？」
『……』
「あ！やっぱどこか温かいとこで待ってて！寒いから！」
寒いから慌てて言うけどAは
『ここ、外だから、ニカ、来れないよ』
どこか冷静で言ってくる。
また俺の事優先して自分を我慢するAに
ムカついちゃう。
「いま優先するのはA！じゃあねッ！」
一方的に電話を切った。
本当は一番しんどいのはAなのに。
しかもその原因が俺なのに。
「Aのバカっ」
呟くと、
エンジンをかけて再び再び走らせた。
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shizu(プロフ) - ばーばぱぱさん» コメントありがとうございます！まだ続くので良かったら是非また読みに来てください(*^^*) (2021年9月18日 15時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - ニカあああああああ すうううきいいいいい (すごくいい小説でした){♭・・} (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - りんこさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると励みになります(^^)ニカちゃんとのカップルが本当に好きなので書いてて楽しいです。また読みに来ていただけると嬉しいです！ (2021年9月16日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - こんばんは。毎回更新を楽しみにしています。キュンキュンが止まりません。2人が幸せな時間を過ごすのが、本当に見ていて幸せです。 (2021年9月15日 22時) (レス) id: e70020d567 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ももまるさん» コメントありがとうございます！いまニカちゃんのリアコにどハマりしてて仕事は仕事で忙しいのでのんびり更新になってますが更新致しますのでまた読んでください☆応援ありがとうございます！ (2021年9月4日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年9月3日 7時
