太陽の当たる場所 9

4U 17 side 2 ページ28

Aと
『好き』『嫌い』を繰り返してて
ものすごく甘い雰囲気。



こんなの絶対苦手だと思ってた。

でもAとのくだらない言い合いは
ものすごく楽しくて。

どれたけAに『嫌い』って言われても
背中に回された腕とどこか甘い『嫌い』に
『好き』が溢れてて。

何で祐介君に妬いたのか分からないくらい
Aからの『好き』が伝わる。



「やっぱ嫌い」



やっと好きって言ってくれたのに
分かってたって言うとまたAが『嫌い』って言い出す。

さすがに何回も『嫌い』って言われると
悲しくなってきて。

「嘘つきなAは俺も嫌いーっ」

罰として苦しいくらい抱き締めた。



「やめてっ！」

苦しそうにAが抗議してくるけど
何度も『嫌い』って言う罰だよ。

「しーらない」

ものすごくギューッてきつくきつく抱き締めた。

『もう離さない』って気持ちを込めて。



さすがに苦しそうでAの力が緩みかけたから
慌てて解くと息を切らしてるA。

顔を見るとやっぱり泣いてたから
Aの顔が涙と鼻水でくぢゃぐちゃ。



あーもう汚い。

他の子なら完全に冷めるけど
Aなら仕方ないなって思う。



この後洗濯するからいいか。
自分のシャツの裾で涙とかを拭くと

「…冗談でも嫌いとかもうやめて。さすがに何回も言われると辛い」

さすがに傷つくから言う。



コクン、と頷く素直なAが可愛くて。

Aをじーっと見ちゃう。



やっぱAは特別だな、って思う。

色々俺に合わせてくれちゃうし
俺もAに合わせるのは全然苦痛じゃない。

こんなAを失うのは本当に怖い。

悪い事をしたらちゃんと謝って
Aとずっと居られるようになりたい。



「…ごめん」



ふざけないでしっかり目を見て言った。
ちゃんと仲直りしたいから。

でもなぜかAも謝ってきちゃうから

「Aは悪くないよ、今回は俺が悪い」

そこはハッキリさせた。



本当に本当にAが大好きだから。
もう鍵を返されたくない。

ずっと一緒に居たい。



「ガキでごめん。でも、ガキになっちゃうくらいAの事めっっちゃ好きなんだ」



ちゃんと伝えると
ものすごく嬉しそうなAは

「…もう一回」

甘えるように言うけど
照れくさくてもう言えない。

「だめ、一度しか言わない」

代わりにここで花火を見た時みたいにゆっくり顔を近づけたら
同じようにAが目を閉じたからそっとキスをする。



これからはずっと一緒にいようね。

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