太陽の当たる場所 9

4U 13 side 2 ページ20

22時半過ぎても
Aは帰って来ない。

なんだか胸がザワザワする。



ご飯の場所聞かれた時間から逆算すると
とっくに帰ってきていい頃なのに。



こんなにソワソワするなら
なんでAに祐介君たちとご飯食べて来たら？なんて言ったんだろ。

最初からご飯は一緒に食べようって言ってれば
こんな気持ちにならずに済んだのに。



あーもう、
色々考えるの無理。

気にするのやーめたっ。

もう先に寝ちゃえ。



ニカ明日早いからそろそろ寝るね



送って少しするとLINEの音がする。
LINEはAからで

Aそれなら叔父さんちに泊まるよ

っていう謎のLINE。



なんで先に寝るのとAが泊まらないのがイコールなわけ？

すぐにAに電話を掛けたけど出ない。



少しして折り返すAは

『叔父さんがもう遅いから泊まれって…』

って大将に泊まれって言われたって言うけど。

「は？意味分かんない」

なんで？
大将もおかしくない？



「いま大将の家、Aだけじゃないよね？」

男の子も居るんでしょ？

『…祐介君が居候してる』

Aが言いにくそうに言う。



「でしょ？その方がよっぽどどうかと思うけど」

『……うん』



小声で頷くAも逆に困ってるのも分かるけど。



すごくイライラした。

早く帰って来ればこんな事にならなかったのに。

でもそうするように勧めたのは
自分でもあるんだけど。



「…まぁいいんじゃない？久しぶりにゆっくりして来たら？」

『………』



嫌味を言うと黙っちゃうAも本当に困ってるのが伝わる。

けどガキな自分には何も言えない。



『ごめん、もう寝るんだよね？』

Aが少し泣きそうなのか
元気ない声をしてるのが分かったけど

「うん、寝る。おやすみ」

Aの『おやすみ』を聞かずに電話を切った。



最低。

俺がやられたら逆ギレする。


ダメだ。

Aにはホント大人になれない。



ムカつきすぎて寝つけなくて。

朝も早めに起きちゃう。



朝ごはんを作って食べてると
玄関が開く音がする。



玄関には昨日貸したシャツのままのAが居て
シャツの袖をまくってキスマークはギリギリ見えない感じになってた。



思ったよりもめちゃくちゃ似合ってたんだけど
昨日が昨日だから何も言えなくて。



「おかえり」

「……うん」



声を掛けると『ただいま』って言わないAは

「ごめん」

こちらを見ないで謝るとシャワーに向かうから
更にムッとした。

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