after ただ君と 16 ページ41
結局、宏光に伝えた。
本当は宏光と離れるのも寂しい、って。
「………」
しばらく私をじっと見てくる宏光は
「はぁ……」
と大きくため息をつく。
………呆れられたみたい。
仕方ないかな。
さすがに落ち込んでいたら
「あのさ、A」
宏光は私の顔に手を伸ばしてゆっくりと頬を撫でて名前を呼ぶ。
「俺、役者の仕事してて良かったかも」
なんて突然言い出すから何かと思ったら
「俺こそ最低だよ。嬉しくて、そういう意味で笑っちゃいそうなんだけど」
宏光はものすごく優しい顔で私を見つめる。
「めちゃくちゃ嬉しくて、ここでAの事抱き締めたままぐるぐる回りたいくらい」
頬を撫でてくれて言う宏光はゆっくり顔を近づけてくると
チュッ、て音だけ立てて触れるだけのキスをしてくれる。
そんなに嬉しいんだ。
私が宏光にこういう気持ちを伝える事が。
私は宏光に甘えてもいいんだ。
そう思ったら気が緩んじゃったみたい。
「それにね、ハチさんに私のポジション取られちゃわないか心配になっちゃったの。仕事だけじゃなくて私がいない間に宏光の事、取られないかな、って」
それも素直に伝えたら
宏光はまた目を細めて笑うと
「そんなにAが俺の事好きになってくれてんのに、ハチだけじゃなくて他の誰かにだって行く訳ねーだろ」
真剣な顔で私を見る。
「Aも俺の事、他の誰も目に入らないくらい好きで居てくれてるだろ？」
宏光からまっすぐ見つめて聞かれたから。
「大好き。宏光の事だけが、好きだよ」
同じようにまっすぐ見つめて答えたら
ものすごく嬉しそうに笑う宏光はゆっくり近づいてきて
フワッ、と優しく唇が重なった。
はむ、はむ、と蝕むように私の唇を挟んで数回キスをする宏光は
気持ち良くて反応しちゃう私の腰にギュッと腕を回して抱き締めると
舌を絡めるキスをしてくる。
それはとても長いキスで。
舌を絡めたり、唇を挟んだり強めに吸ったかと思ったら啄むようなキスをしたり。
あぁ、宏光のキスってやっぱり気持ちいいな、と思って浸っていたら
ふと宏光の唇が離れる。
そのまま宏光は熱っぽい目で見つめてきたと思ったら
「さっきの言葉、忘れんじゃねーぞ」
真面目な声で言うから
「宏光こそ」
私も言い返す。
どっちかって言ったら宏光の方が危ないんだからね。
なんて言えないからただ黙って宏光に抱きつくと
宏光はポンポン、と頭を撫でてくれる。
……ありがとう、宏光。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます！続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい！！またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます！！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました！コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年6月21日 20時
