after ただ君と 12 ページ33
ご飯を食べて
おばあちゃんの待つ病院に向かう。
宏光は上着に私の服を着て
「この方が変装になるしなー」
って完全にオーラ消してるけど
自分の服の普通さと宏光が着た方が似合ってることと
オーラを消せる自分の服に身分の差を感じて地味にショックを受ける。
おばあちゃんの病室に入ると色々な線や管で繋がれていて。
さすがにドキッとする。
「おばあちゃん」
声を掛けてみる。
けど反応は無くて寝てるみたい。
ピッ、ピッ、と音を立てる心音を告げる電子音。
泣きそうになるけどグッと堪えておばあちゃんの近くに寄る。
おばあちゃんの手を取るとその手に宏光も手を重ねてくれる。
宏光を振り返ると宏光が微笑んでくれて。
いま1人じゃない事がものすごくありがたい。
宏光は一度手を離すと椅子を近くに置いてくれる。
2人で椅子に座るとまたおばあちゃんに手を重ねた。
また宏光を見ると宏光はまま優しく笑って
「ん」
ギュッと手を握ってくれるから
それが嬉しくて寄り添うと宏光も寄り添ってくれた。
おばあちゃんの寝顔を眺めていると
あまり苦しそうじゃなくて穏やかだから安心する。
そのままおばあちゃんの寝顔を眺めて宏光と寄り添ってると
背中は日が入ってポカポカするし宏光の体温もあたたかくて気持ちいい。
………あぁ、寝そうだな。
そう思ったらふと宏光側が重くなって見ると宏光が寝てる。
せっかくのおやすみだもんね。
私もウトウトしてると
コンコン、とノックの音がして看護師さんが入ってくる。
私達を見て
「…あ、お孫さんですよね」
慌てて立ち上がろうとする私たちにそのままで大丈夫、ってジェスチャーしてくる看護師さんは
「Aさん、楽しみにしてましたよー。今日はお孫さんと彼氏さんが来るって昨日からご機嫌でした」
宏光が寝たままだから小声で話しかけてくる。
「楽しみにしすぎてAさん昨日全然眠れなかったみたいで。そのせいでいつもより寝不足だからいま寝ちゃってるだけですよ」
だから元気ですよ、って言ってくれてホッとする。
看護師さんが居なくなると宏光が体を起こして
「わり、寝ちゃった」
って寝起きの顔で私を見て
看護師さんが居たから寝たフリしたのかな、って気づく。
「……『彼氏さん』だって。初めて言われたー」
嬉しそうに笑う宏光に言われてはじめて気づく。
そうだ、私も初めて言われた。
恥ずかしかったけど
どこか嬉しくて顔が赤くなるのを感じる。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます！続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい！！またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます！！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました！コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年6月21日 20時
