after ただ君と 1 ki ページ12
Aのお兄さんから
メールが来た。
『A、何か言ってるか？』
その一言で察する。
これはキヌエさんの具合が悪いんだな、って。
『いいえ』
『やっぱり。出来たらでいいから二週間以内にこっちに寄越して』
具体的な期間の提案に
さすがにドキッとした。
スケジュールを見るとちょうど来週休みがあるし
その休みは俺もAも被ってる。
『分かりました』
お兄さんに日付の候補を送っておくと
『悪いな。助かる。』
返ってくる返事に
本当にいよいよなんじゃないか、って思う。
当の本人は
自分やキヌエさんの事より
俺のことをめちゃくちゃ心配してる。
「福島は一緒に行くから」
ものすごーーーく不満そうに言うから
「ん」
それで妥協するとさらに不満そうな顔をしてる。
「なんなの？その感じっ」
さすがに言わせてもらうと
「お兄も宏光も無理やり来させようとしたり行こうとしたり、なんなの？」
泣きそうな顔で言うから。
あ、これはもしかして
俺の問題もあるけど
Aはキヌエさんの具合が悪いのを認めたくないんだって分かった。
だとしたら
「えーこんな機会ねーとAと出かけらんねーもん。場所が場所だし撮られたところで『お見舞いです』で済むだろ？」
敢えて拗ねて言ってみる。
でもAは俺がわざとこーゆー言い方をしてる事に気づいてるから
「……本当にもう」
「あ、久しぶりに聞いた！それ！」
つぶやくように言うAに
食いつくように返したらやっとAの顔が緩む。
「とにかくさ、行くだけ行こーぜ」
「うん」
「温泉も寄れたらいいな」
「…うん」
「途中でいちごのソフトクリームも食おーな」
「……」
話してる途中からAが泣きそうな顔をするから。
「…何も出来ねーけど。そばには居るから」
それだけしか出来ねーけど。
Aが辛いのは想像つくし
俺だって平気で居られるか分かんねーけど。
「…ありがと」
小さくAがつぶやいてやっぱり涙を零す。
無言でティッシュを渡すと
涙を拭うAに
「このゴボウと牛肉の卵とじ美味いな」
声を掛けると
「また作るね」
鼻を啜りながら小さくAが言う。
「ん」
笑いかけるとAもよーやく笑ってくれる。
そして
「本当は、一緒にいてくれて嬉しい」
Aが小さい声で言う。
「え？」
聞き返したけどAは何も言わないから
俺もスルーしたけど。
そう思ってくれたなら嬉しいな。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます！続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい！！またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます！！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました！コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年6月21日 20時
