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never 12 ページ21

ニカに思い切り抱きつくと

「どした?」

ニカにものすごく甘い声で聞かれて
無意識だった我慢が決壊した。



ギュッてニカの体にしがみつくと

「ほらA、このままだと体勢キツいから」

1度腕を解かせてソファに座るニカは

「ほら、おいで?」

腕を広げてくれる。



だからそのままニカに抱きつくと
ニカはフワッて抱きしめてくれた。



あぁ、これだ。

私が欲しかったの、これだな。



寝るでもなく、ご飯でもなく。

これだった。



ニカの腕の中にしばらく包まれて
だいぶ満足したから
ニカに素直にいま抱きしめてくれたのが幸せって伝えたくて

「あのね」

しばらくぶりに出した声がものすごく甘えた声で
何だか恥ずかしい。
でも

「んー?」

聞き返すニカの声が私を上回る甘さ。



今ならニカは何でも聞いてくれそう。
私も今なら素直に話せそう。



でもキッチンから香る香ばしい香りに

ぐぅーーーーーー

お腹が反応しちゃう。



「……フフッ」

ニカが堪えきれずに笑って

「………恥ずかしい」

もう顔を上げられない。
めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。



「ご飯食べながら話そっか」

ポン、ってニカが私の頭に手を乗せる。



すごく優しくて甘い口調。
いつもなら『食いしん坊ーっ』ってものすごく弄ってくるのに。



さっきの『我慢させてる』を気にしてるんだ。



だから

「あのね」

ギュッて抱きついてもう一度言う。



「ん?」

「最近ね、ちょっと嫌なことあって…」

「……うん」

「ものすごく悲しくなったんだけど」

「…………うん」



ニカは相槌を打ちながら背中をぽんぽんしてくれる。



そのまま続けて

「悲しくなった時にね、ニカの笑顔思い出して『ニカならどうするかな』って考えて行動したの」

言うとニカの手が私の背中で止まる。



「ニカのおかげで、前に進めたの」

ギュッてニカに抱きついてから顔を上げた。



ニカを見るとものすごく嬉しそうな顔をしてて

「……そっか」

私の頭を撫で回した。



「俺、ちゃんとAを支えられてる?」

ニカが私の頭を撫でたまま心配そうに聞いてくるから

「うん」

ちゃんと頷く。



「ニカが私の原動力になったよ」

「…マジで?」

「うん」



ニカの顔がフッと緩むから私も嬉しくなって

「ありがと、ニカ」

心から言うとニカが私の頬に手を添えて

「俺こそ、待っててくれてありがと」

親指で私の頬を撫でてから顔を近づけてくる。



目を閉じたら唇がそっと重なった。

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shizu(プロフ) - junkoさん» コメントありがとうございます!一文字一文字読まれると誤字脱字が酷いのがバレて心配ですが(笑)見つけ次第治してますが見つけたらまたやったな、って思っていただけたら幸いです。また読みに来てください! (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!ニカにはこんな子がそばにいてほいしな、と思って書きました。ありがとうございます! (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
junko(プロフ) - このお話大好きです。更新されるたびに大切に一文字一文字ゆっくり読んでます。これからも楽しみにしてます^_^ (2021年4月20日 1時) (レス) id: 74230b5629 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 更新ありがとうございます!素敵すぎて電車で泣いちゃいそうでした。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 0a653a5e8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年3月27日 14時

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