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愛をこめて 2 T ページ2

「おつー」

顔をしかめて
千ちゃんが入ってくる。

「「「「…おつかれー」」」」

さすがにいい雰囲気じゃないから
みんな遠慮がちに返す。



「…どした?」

ガヤが声を掛けると

「手、痛めちゃった」

顔をしかめて千ちゃんが言う。



「え、明日本番なのに?」

宮っちが声を掛けると

「そう」

千ちゃんは悲しそうに腕をさする。



「練習し過ぎちゃった」

「…あー…今日tamaちゃんの日だもんね」

千ちゃんの言葉にニカが呟く。



ニカは一度Aに会ったらしい。
それ以来tamaちゃん呼びしてる。



宮っちがカバンの中から

「これ、良かったら使って。ドラムの練習で筋肉痛になった時に使ってたやつ」

「…ありがとう」

受け取った千ちゃんが痛めてるところに湿布を貼る。



「今日スタジオでコメントだけで良かったね」

「うん。…始まるまで休んでていい?」

「ん、そーしな」



ニカが千ちゃんが横になれるようにソファを空けてあげてる。



ゴロン、て横になった千ちゃんは辛そうで。

本当に凹んでるのがわかる。



「tamaちゃんに見てもらえなくて本番って辛いね」

ニカが声を掛ける。



そう、今日千ちゃんの練習が終わったらそのままAの仕事は終わりで
明日は休みって言ってたから
俺も明日は休みだし久しぶりに家でのんびりする予定だ。



なのに

「うん、だから明日最後に見てもらう事になった」

目を閉じたままの千ちゃんが言う。



………は?



慌ててスマホを見るとAからLINEが来てる。



A明日午前中だけ仕事になっちゃった

『ごめんなさい』のスタンプと共に来てる。



……久しぶりに一緒に夜更かししよーとしたのにっ。



むむむむむーっ。



「たーまっ。ゲームしよー」

宮っちが近づいてくるけど

「…しないっ」

ぷいっ、て横を向いたら

「あらあらー、姫はご機嫌ナナメですねー?」

って俺に近づいて頭を撫でてくる。



……ウザイ。

けど今は宮っちで自分のご機嫌修正しないとダメだ。



無抵抗で撫でられてると

「え、珍しっ。タマが無抵抗じゃん」

ニカが突っ込んでくる。



…仕方ないじゃん。

いま宮っちがいないと千ちゃんに怒っちゃうかもしれないもん。

ただ撫でてくれてる宮っちには申し訳ないけど
Aに撫でてもらいたいなー。



「明日、上手く弾けるかな」

千ちゃんがポツリと呟く。



Aの休み返上してるんだから
成功しないとダメだからっ。

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りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2022年3月14日 3時) (レス) @page48 id: 14edd87e20 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年3月4日 2時) (レス) @page44 id: 5e6481142e (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月28日 1時) (レス) @page40 id: 66fc43380a (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月18日 2時) (レス) @page40 id: 053d1fe70b (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月4日 3時) (レス) @page40 id: 1a8a7fd8f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年3月3日 18時

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