シロツメクサ Ki -side K- 10 ページ9
そして3年経過したある日
かーちゃんの予告通り
突然Aは
太輔の居場所を知りたいって言ってきた。
「謝りたくて…」
Aは言うけど
「は？今更だろーが」
さすがに自分勝手さにムカついた。
「Aは分かりやすいよ？あれだけ太輔太輔言ってたくせに太輔がいない時に実家や俺のとこ来るから」
「……はい」
「太輔も絶対Aがいないか確認してくるわけ。なんなん？って思うけど太輔は『嫌われただけ』しか言わねーし」
Aはそこで初めて驚いた顔をした。
ほら、やっぱり太輔の気持ちなんて
全く考えてねーじゃん。
ただ、そこからのAは想像以上だった。
太輔の会社を1つ1つ回って
終わる時間に張って
太輔を待ち伏せしていたらしい。
よくストーカーで通報されなかったよな。
後から
「目の前にカフェとかお店あったらその中に居たし」
Aは澄ました顔で言ったけど
そんなことしてるって知ったら止めたっつーの。
太輔にはちゃんと
「Aが太輔に会いたいって言い出したよ」
事前に伝えたら
「ってことはA、トースター使ったな」
太輔はクスッと笑う。
それがものすごく幸せそうだったから
太輔はAにちゃんと気持ちを伝えたんだなって事とAも同じ気持ちって事だなって分かった。
なら
「Aに居場所教えよーか？」
その方が早いじゃん。
でも太輔は
「ううん、教えなくていいよ」
少し意地悪な顔をしたから
さすがに太輔もちょっと怒ってるってことと
太輔はAが探し出してくれるって分かってるんだなって思うと
すげー2人が羨ましかった。
なんで俺にはそんな相手が現れないわけ？
だから2人が挨拶にきた時に
全然素直に喜べずに
トイレ行くフリしてとーちゃんの仏間に行った。
『もしもの時は宏光とかーちゃん味方になってやってくれよ』
とーちゃんが言ってたのを思い出す。
そーだよな。
2人はこれから大変かもしれない。
兄と妹で結婚なんて
周りから何言われるか分かんない。
2人の味方にならなきゃなのに。
結局俺は
2人が一緒になるのが嬉しいけど
置いてけぼりにされた気がして
ものすごく寂しかったんだって気づく。
俺は2人の兄貴なんだからしっかりしないと。
きっといつか俺にも
離れててもお互いが分かりあえたり
一緒に寝たくなるような相手見つかるはずだ。
だよね、とーちゃん。
でも写真のとーちゃんは微笑むだけで
当然返事はくれなかった。
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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます！伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ！ (2021年3月1日 23時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます！！ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです！！！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年2月21日 18時
