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シロツメクサ Ki -side K- 33 ページ32

Aにコンビニに居るように言って
慌てて部屋を飛び出すと
コンビニの入口には泣いてるA。

うずくまって小さくなってる。

あぶねーから中に居ろって言ったのに。



「……何やってんの?」



声を掛けると顔を上げたAは
俺の顔を見てまた泣き出す。

「ミツさん…っ」

ポロポロ泣き出すAは
店から何も持たずに出てきたっぽい。



「泣いてちゃわかんねーよ。どした?」

Aの前にしゃがむと

「……渉が、出ていけって言う」

予想外の事をAが言う。



「は!?」

想像してた話とちげーんだけど!

「だって、渉、話したい事がある、って、言うんだもん」

Aは泣きじゃくりながら言う。



………なんだよ、まだ話すらしてねーんじゃん。



「それだけでこんなに泣くヤツがよく自分から出て行こーとしたな」

俺が言うとAは顔を上げて

「なんで!?」

驚いて俺を見てるけど。



気づかないわけねーだろ。

「そりゃ気づくだろ?ずっと住宅情報誌見てるし不動産屋の人に話聞いてるし」

「…雑誌、偶然あったんだもん」

Aは口を尖らせて言う。



よく言うよ。

あのAのバイト先のあの事務所に
都合よく住宅情報誌が毎回置いてあるかっつの。



「…まぁそうだったとして?おかしいだろ、あんなに『渉ー』って言ってたのに急に避けて」

「それは……」



そこで言葉を区切るAは
ポロポロ泣き出して

「渉のこと、フリじゃなくて、好きになっちゃった、んだ、もん」

ぐすっ、ぐすっ、と鼻をすする。



なんだよ、結局両思いじゃねーか。



「だろーな」

「うるさいっ」



怒りながら涙が全然止まらないA。
周りがジロジロ見てきて恥ずかしいから

「とりあえずうち来るか?」

立ち上がって手を差し出すと

「……」

すげー顔でAが見てくるけど。

「あのな。さすがに俺も他の男で泣くヤツとどーこーしよとかねーけど」

さすがに傷つくっつの。



「行くとこねーんだろ?とりあえずうち来いよ」

そんでよこーさん呼べばいいだろ。
それは伝えずにAに言うと

「………ごめんなさい」

またポロポロ泣き出すから。



どーゆー言い方したか知らねーけど
Aをここまで泣かすとかさすがによこーさん酷くない?
一体何をどーしたらAがここまで怯える?って思う。



だから

「もー泣くなって」

Aの手を取って立ち上がらせると
ギュッて手を握り返してくるけど。



全っ然ドキドキしなかった。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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