Air 6 ページ47
「…あれ？」
私に気づいた北山さん。
今なら周りに人もいないからいいか。
「こんばんは」
声を掛けると
「フフッ、こんばんは」
優しく笑って返してくれる北山さん。
「今日はニカと？」
そう聞いてくるってことは
北山さんもニカとではないのかな。
「いえ、職場の人達と」
「へー、そっか」
北山さんは私の方が風下になるからなのか
手をパッパッて振ってタバコの煙を散らして
タバコを消す。
「あ、気にしないで下さい。ここ喫煙所なのに来たの私なんで」
慌てて言うけど
「ハハハ、へーき。そろそろ行こうと思ってたから」
北山さんは笑ってる。
でもその笑顔が何だか元気が無くて。
「…どうしたんですか？」
つい声を掛けちゃうと
「へ？」
北山さんは驚いた声。
「何だか元気無さそうだから」
「………」
私の言葉に力なく北山さんは笑う。
「さすがニカの友達」
「え？」
「すぐ察しちゃう。ニカもそう」
突然出たニカって言葉に心臓が跳ねる。
「最近好きな子に距離取られてんの」
「…そうなんですね」
「俺はずーっとくっついてたいのに。たまに一緒に寝たいのに」
『一緒に寝たい』って言葉がニカと被って
またドキッとする。
北山さんは好きな子が相手で一緒に寝たいって言ってるけど。
ニカは私の事友達なはずなのに。
「…男の人って、一緒に寝るとか簡単に思ったりするんですか？」
私が聞くと北山さんは緩く笑って
「んー、人によるかもだけど。少なくとも俺は誰とでも一緒に添い寝したいとか思わないな」
って言う。
それってニカにとって私って
少しは心許してる人になってるって事なのかな。
「Aちゃんは一緒に寝れたら落ちつくなーって思う人とかいるの？」
北山さんに聞かれて思いついたのは
前にお付き合いした人達じゃなくてニカで。
でも北山さんはニカの事を知ってるから
「…分かりません」
答えると
「あははは、居ないわけじゃないんだね」
なんて北山さんに図星を指されて。
ものすごく恥ずかしくなる。
「…Aちゃんが一緒に居たい人もAちゃんと同じ気持ちだといいね」
北山さんが緩く笑ってて。
その人はあなたがよく知ってる人なんですよ、なんて言えない。
「Aちゃんはその人に気持ち伝えてあげてね」
「え？」
「俺は相手の気持ち分からなくていま辛いからさ」
北山さんが寂しく笑う。
…言えないよ。
だって私とニカはただの友達だし。
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shizu(プロフ) - はるるさん» ありがとうございます！はるるさんも熱中症には気をつけてくださいね！ (2020年8月18日 0時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさん» 楽しみにしてます！まだまだ暑さが続くようですので、健康にはお気をつけください。 (2020年8月16日 7時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はるるさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてものすごく嬉しいです(〃▽〃)少しずつですが更新していきますのでまた是非読みに来て下さい！ (2020年8月15日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさんの作品、ほぼ全部見てます。大好きです。これからも応援してます。 (2020年8月14日 10時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2020年7月18日 15時
